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「#マッサン」のテイクオフ

今季の朝ドラ「マッサン」は外国人がヒロイン

今季の朝ドラ「マッサン」は外国人がヒロイン

新しい連続テレビ小説(朝ドラ)「マッサン」が第2週めに入っているが、まずまず評判もよいし、見ていて面白いのだ。

気になった記事。
NHK朝ドラ「マッサン」の"大いなる賭け" | 東洋経済オンライン

主役は日本人男性と外国人女性。朝ドラといえば「日本人女性」の一代記なのに、そこを外してキャスティングしたのですから、これはかなりの変化球。

うん。そこは私も気になっていた。変化球というより、投げ方を間違えば大暴投にもなりかねない素材ではある。

朝ドラといえば、可愛い日本人のヒロインがつきもの。逆に言えばヒロインが可愛ければ、多少のストーリーの陳腐さなど許されてしまう。そこを外国人にすることで、どうしても共感できないものになってしまう可能性もあったからだ。

毎朝Twitterの #マッサン タグを見ていると、ヒロインのエリーは広く受け入れられているようである。「可愛い」という声は聞くが、悪口はほとんど書かれていない。

とりあえず「マッサン」は第一関門をクリアしたといってもいいのかもしれない。今後、エリーの夫である亀山政春の「ウィスキーづくりへの情熱」が描かれていくはずだが、そこが「男の夢」として、女性視聴者にどう受け入れられるか、が第二の関門という気がする。

それにしても、なぜNHK大阪がこういう思いきったキャスティングを試してみたのか、というのがとても気になります。米国のテレビ局の戦略的思考で考えれば、「男性視聴者と外国人視聴者の獲得」ですが、そこにフォーカスすると、「あまちゃん」をきっかけに順調に増えてきた女性視聴者を失うリスクもあります。

しかし、前出の記事にこうあるのが気になる。『「あまちゃん」をきっかけに順調に増えてきた女性視聴者」とあるが、もともと朝ドラの主要な視聴者層は主婦だったはず。この筆者はなぜこんなことを書くのだろう?

私がTwitterを覗いてきた実感では、「あまちゃん」で(一時的にせよ)増えたのは男性、そして若い女性の視聴者だったと思う。「あまちゃん」は、アイドルや町おこしといった今日的なテーマ、宮藤官九郎のファンキーなコメディ脚本、小泉今日子や薬師丸ひろ子といったキャッチーなキャスティングが多様な視聴者を呼び込む効果を発揮したのだと思う。

「あまちゃん」後、「ごちそうさん」「花子とアン」という、女性ヒロインの現代史ものという朝ドラフォーマットに沿った作品が続いたが、Twitterの作品名タグ上では急に主婦と思われるユーザーが増え、男性や若者と思われるユーザーは減ったという実感がある。

そう考えると、「マッサン」の立ち位置は、ふたたび多様な視聴者層を呼び込むための作品ではないか、という気がする。男女のダブルヒロインが、「日本ではじめての本格ウィスキーづくり」という夢と、「日本人になりきる」という課題のそれぞれを背負ったドラマなので、さまざまな立場の視聴者が、それぞれの興味で見ていけそうだ。

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