コンテンツ評論 テレビ番組評

「家族狩り」をみた

はじめに|TBSテレビ:金曜ドラマ「家族狩り」テレビドラマは「絶望」を描かない。誰がそう決めたのだろう?

テレビは茶の間で見るもの(なんたる昭和な表現!) これを見る、と決めて見に行く映画とちがって、チャンネルを合わせれば誰でも見られてしまう。
だから、そこに描き出されるものは最終的には「希望」であるべきだ、という通念がテレビ業界にあるのではないかと思う。

それは一面では正しいのかもしれない。

そういう意味ではこのサスペンスドラマは、近年みたドラマの中ではもっとも「絶望」を描き出している。

破綻した家族。憎しみ合う、親と子。そうした家族が続々と登場する。その中で次々と起こる、一家心中とも思われる殺人事件。

「家族」はテレビドラマが一貫してとりあげてきた題材である。なんと多くのドラマが「家族」をテーマに掲げ、そうではないドラマであっても「家族」を描くシーンが数多く登場する。

そんな中で、もっとも家族を否定的に描いてみせたのがこのドラマではないか。このドラマに登場するふたりの真犯人は、一種宗教的な確信を持って、破綻しきった家族を全員葬送する。

犯人たち(私は彼らが家族を「送る」と表現したのを聞いて、「おくりびと」と名付けたが)の行為は絶望から来る狂気である。もちろん、ドラマはそれを肯定的に描いているわけではないが、彼らを一分の理もない正真正銘の狂気として描くことで彼らの「絶望」を際立たせてみせた。

この真相が明らかになった時、Twitterは阿鼻叫喚だった。それはまだ社会が正気を保っていることの証左かもしれない。

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