コンテンツ評論 テレビ番組評

「BORDER ~警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係~」をみた

2014/06/14

images「死者と話せる刑事がいたら」そんな設定ひとつでシリアスな刑事ドラマも面白くなる、という好例かもしれない。

主人公石川刑事は頭を銃で撃たれ、その弾丸が脳底に残ったせいなのか、死者の姿を見て言葉をかわせるようになる。殺人被害者からの証言を得ることができたとしても、それを上司に報告することはできない。被害者の無念を晴らしたい、という思いから彼は裏社会と接触、非合法な手段も含めてさまざまな手で犯人を追い詰めていく。

…というのが基本だがそれだけに終わらない、一話完結ながらさまざまなプロットが登場して飽きさせない。直木賞作家の金城一紀氏が原案・脚本で参加しているからか、テレ朝らしい脚本で見せるドラマになっている。

主演は小栗旬だが、私は彼の芝居が好きではない。にもかかわらず、このドラマに関してはハマり役だと感じた。
主人公石川は普通の刑事ではない。「死者と話せる」という非日常性は、なかなかうまく表現できるものではない。

よくある超能力者ものとちがって主人公自身もその能力をコントロールできず、死者の証言を得ているという事実を他人に口外することすらできない。
そういう状況下で、一種狂気じみた正義感に突き動かされていく主人公というものは、なかなか納得できる描写にならないのだが、小栗旬だからそれがわりと自然に見られる、という気がする。

よくある勧善懲悪のパターンではなく、ひとつの設定をもとに起こりうるさまざまなストーリーを用意したその上質感は、なかなかのものだろう。

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