コンテンツ評論 テレビ番組評

#あまちゃん 最終週「おらたち、熱いよね」再見

最後にアキとユイはトンネルを走って越える

最後にアキとユイはトンネルを走って越える

いよいよ、最後の週だ。

太巻も到着し、鈴鹿ひろ美リサイタルが復旧なった海女カフェで開かれる。
いわば、逆回転の総仕上げだ。

音痴のはずの鈴鹿ひろ美がついに歌う。最後の最後までその歌声は注意深く隠されていた。

第151回。太巻と水口が待合室で話している。カットされていた台詞。水口「潮騒のメモリー一曲なら」太巻「いや、生バンドをバックに、ジャズから童謡まで、30曲」水口「…ジャイアンリサイタルだ」これに続いて放送に乗っていたが「人前で下手な歌うたって恥かいてさ、殻破れるなら、それだけでも、あの人にしちゃ大躍進だろ」なんとなく、恥かいてそれで殻が破れるのか、という気がする。

第152回。栗原が鈴鹿の「団子三兄弟」の話をしたシーンの続き。菅原が「仮に音痴だとして、じゃあレコードになってる潮騒のメモリーは? 一体誰が歌ってるの?」と言い出す。ユイがスマホにダウンロードしたオリジナルバージョン(つまり春子の歌唱)を皆に聞かせ、その場にいる全員が「間違いなく鈴鹿ひろ美だ」と口々に言う。ユイが秘密を明かされるのはこの次の回なので、ユイもこの時は気づいていない、ということだ。

天野家。夏と話す鈴鹿。最初に春子のナレーションがあって「さすがに30曲は無謀すぎると思ったのか、10曲に絞ったようです」これに続いて、鈴鹿の年齢の確認のやりとりがあるが、ここで鈴鹿が早生まれで春子の2学年上とわかる。まさに「早生まれのマーメイド」だが、もうひとつ、これでほぼ冬の生まれと確定した。天野家の三代は、夏、春子、秋であるがただひとつ揃わない「冬」が鈴鹿だったような気がする。

第153回。スリーJプロ。正宗がいない春子を探しているシーン。壁に、大吉・安部と太巻・鈴鹿の結婚披露宴のFAXがあって、どっちも「欠席」に丸がついている。春子は欠席と返事をしたのだろうか。最終的には自分も当事者として出たのだが。少なくとも所属事務所の社長として、鈴鹿の披露宴には出るものだと思うが。

北三陸駅で、足立市長が北鉄開通を報じる全国放送のカメラに向かってしゃべるシーン。「じゃあ市長も明日は…?」と問われて「乗りません。うん。車の方が早いんでねえ」と身も蓋もない返事をしていた。

海女カフェ。鈴鹿が歌の特訓をしているシーンがあった。「というわけでユイちゃんが、三代目、口の堅いボイストレーナーとして地獄の特訓を引き継いだのです。皆が寝静まった深夜から明け方にかけて…」とナレーションで説明される。鈴鹿の歌の間に一瞬挿入されたアキが歌いながら白目を剥くシーンは、このシーンの後半だったようだ。

海女カフェでのリサイタルシーンから、シナリオには一切の指定がないのだが、アキの後輩海女たちが戻ってきているのがうれしい。「それを作ればヤツが来る」とフィールド・オブ・ドリームスの台詞が引用されていたが、これは鈴鹿ばかりのことではなかったようだ。

第154回。鈴鹿の「潮騒のメモリー」は最後まで前回におさまり、この回の冒頭に放送されたのは、その素直なリプレイだったが、シナリオでは「やけにサスペンス風なダイジェスト」というト書きで、春子が急いで駆けつけたわけを説明している。「私こと天野春子は、かつて鈴鹿の影武者として歌ったという因縁を持ち、現在は鈴鹿の所属する芸能プロスリーJの代表取締役、大事なタレントに恥かかせらんない!だから走っているのです」

本放送の時から思っていたが、なぜ春子は当日になって急いで走ってきたのだろう? リサイタルの日時はあらかじめ知っているし、他に所属タレントはいないのだから東京に仕事があったとも思えない。遅くとも前日に入っていて当然だと思うのだが。

第155回。北三陸駅。アキとユイがお座敷列車の最終リハーサルをしていた。「暦の上ではディセンバー」を踊っている。ナレーションで「レパートリーは、暦の上ではディセンバーと、潮騒のメモリーに決めたようです」はて~しなく、のパートをユイが踊ったら、「違うって」とアキは自分が太巻にプレゼンした動きを踊り、「これだげは譲れねえっ!」と言っている。とすると、いったん採用はされたものの、すぐまた太巻が「違うなあ」と変えてしまったのだろうか? お座敷列車で歌われたディセンバーは、12月の総集編の時の特典映像に挿入されていた。

天野家。夏はじめ海女クラブと功市長がアキを囲む。夏が「おめ、海女クラブの会長やってみる気ねえが?」と話し出す。長内組合長が「いっそアキちゃんば会長にして若返りを図ってはどうだって。元々、夏さんが作った海女クラブだし、アキちゃんが継ぐ事に異論はねえべって」ここで降りてきた春子が背中を押し、アキが二代目海女クラブ会長に決まる。

放送ではカットされていたが、第156回の海開きのシーンでも、アキが海女クラブの会長になったことがナレーションで語られていた。

第156回。放送でも気づいたが、北鉄のあちこちに「平成25年全線開通」とか「2013年全線開通」と書かれている。モデルとなった三陸鉄道北リアス線は今年4月に全線開通の予定だが、北鉄は今現在すでに全線開通していることになる。そういえば、紅白のあまちゃん特別編の中でも、ユイは北鉄に乗って宮古まで行き、そこで正宗のタクシーに乗り換えている。

タイトル後、アキとユイがふたりで走ってくる。ト書きには「灯台を越して『海死ね』の落書きを踏みつけて海に向かってジャンプするアキ」と書かれている。放送では、アキもユイもジャンプするが、海に向かってではなく、最後は防波堤の突端に立って海を見ていた。

というわけで、全156回をシナリオとともに見てきた。全39時間。やはり、圧倒的なボリュームだった。

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