コンテンツ評論 テレビ番組評

#あまちゃん 第24週「おら、やっぱりこの海が好きだ!」再見

2014/01/03

父功の市長選出馬が足立家正常化のひとつの証

父功の市長選出馬が足立家正常化のひとつの証

アキが帰郷すると、たちまち何かが始まる、と期待していた視聴者も多いのではないだろうか。

しかし、現実はなかなかそううまくはいかない。この週は、最終盤の盛り上がりのための地固めというか、再確認の週である。ひとつには、北三陸の被災状況と復興の手段。そして、ユイの心とアキとの関係。そして、最終シーケンスに向けて北三陸に東京編の登場人物が集結してくる胎動のはじまりでもある。

特に、ユイについては視聴者誰しも気になっていたところだろう。ユイは震災の目撃者としてクローズアップされていたからだ。震災当日、涙を流しながらアキと電話で話していたユイの姿が印象的だった。

震災に心を傷つけられたユイは、ふたたび引きこもってしまったか、もしくは復興に向けて何かを必死になることでその傷を癒そうとしているか、どちらかと思った。しかし前週末に再会したユイはそのどちらとも違い、一見平静で落ち着いた生活をしていた。ただ、アキには何かしらユイから抜け落ちたものがあることを感じられたはずだ。

第139回。観光協会での首脳会議。皆が「ユイちゃんもまた海女やってくれたらなぁ」と期待するのに夏が「今年はそういうノリじゃねえって言われた」と答える。「おっかねえんでねえが? 海が」大吉「無理もねえが、あんな体験したら誰だって…」

そのあと梨明日で、市長選に出馬する功を囲んで足立家が顔を揃える。ここに放送にはついていない春子のナレーションがある。「思わぬ形で足立家がひとつになりました」黒川家の再集合が、会社設立というかたちだったことを思い出させる。よしえが音頭をとっていることで、1年足らずの時間経過で、家出の件は修復された、ということをあらわしているのだろう。

第140回。観光協会で海女クラブがヒロシに「おらたちの動画もアップすろ」と詰め寄っているシーンがあった。ヒロシは「モザイクかけていいですか?」と失礼な返しをしている。

いっぽう喫茶軽食リアス。カウンター内にアキとユイが顔を揃えているシーンが。ナレーションで「浜から帰るとアキはリアスを手伝います。ユイちゃんも週3で入っているので、2人が顔を揃えることもあります」放送ではついぞアキがカウンターにいるシーンはなかったと思う。吉田は「見でこれ…夢のガールズバーですよ」と悦に入っている。ユイはたぶんリアスに出ていない時は漁協でミサンガを編んでいると思うので、アキとユイはしょっちゅう一緒にいたことになる。

第142回。種市が帰ってくる。おそらく種市はアキとの距離を縮めるために帰ってきたと思うが、むしろ帰ってきたことによって微妙な立場に立たされることになった。この後、交際中のはずのアキと種市の関係がどんどん薄くなっていく。アキにとっては、ユイとの関係のほうが優先だったようだ。

第144回。水口が辞職を申し出るシーンの回想で、控え室。鈴鹿ひろ美がアキにといって来た仕事の台本を手にとって「やってみようかしら」と言っている。『東北に笑いを!熱湯コマーシャル2011』バラエティ番組らしいが、平日の27時半という深夜番組だ。水口はさすがに「これは~…どうッスかねえ」と渋っているが、たしかに大女優向きの仕事ではなさそうだ。

このシーンの最後で春子が種市も田舎に帰ったことを話題に乗せている。「大将が、わざわざバイクで連れ戻しに行ったらしいんだけど…ウニ丼7つ食べて帰って来たって」梅頭はウニ丼を食べて気が変わったようだ。

アキひとりが復興の思いを抱いても、なかなか事態は好転しない。しかし、種市が「みんな落ち込んでんじゃねえが? って思ってだけど、楽しそうに笑ってる…真ん中に天野が居るがらだ」と言っているように、アキという触媒が北三陸に入ったことで、少しずつ復興への意志が強まっていったようだ。

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