コンテンツ評論 テレビ番組評

#あまちゃん 第21週「おらたちの大逆転」再見

2014/06/13

迷アドリブ「生まれたての子鹿」鈴鹿はもう笑っている

迷アドリブ「生まれたての子鹿」鈴鹿はもう笑っている

夏ばっぱが倒れた。春子はすぐに北三陸に向かう。そしてアキは映画のオーディションへ。

この週は、倒れた夏と看護に駆けつけた春子の話、アキが映画のオーディションを経て主役に抜擢される話、そしてついに具体的行動に出たアキと種市の恋愛話の3つが併行して進む。

中でも注目すべきは夏と春子の話だろう。アキの上京に際して、夏が25年前のことを詫び、春子との関係は修復されたかに見えたが、まだその先があったのだ。こういう描き方は、1クールの連続ドラマではできないものだ。

駆けつけた春子は、海女クラブから橋幸夫と夏が会った話を聞き、自分が見てこなかった母親の真の姿に気がつくのだ。

ちなみに、なぜ夏は、橋幸夫と会った話を春子に秘密にしていたのか? それは春子と忠兵衛の関係にあると私は思っている。春子は夏には反発ばかりしていた分、父親の忠兵衛とは仲がよかった。忠兵衛も一人娘だから春子を可愛がっていたと思う。春子に知られれば、それはいずれ忠兵衛にも知られる、ということではなかったろうか。

アキのオーディションは、視聴者にはどっちにしろアキが最終的には選ばれることがわかっている。むしろ、アキサイドでは、種市との関係がどうなるか、が興味の中心だったのではないか。実際には、見事にはぐらかされたが。

第122回。無頼鮨。梅頭とGMTの3人が、鈴鹿ひろ美と太巻の関係について話すシーン。梅頭の「籍も入ってんじゃないかな」という台詞が切られていた。実際には後に当人たちの口から内縁だということが語られるのだが。

第124回。「ママもパパも、家さいねえの」の執拗な繰り返し。クドカンも照れたのではないか。その結果、クドカンの分身ともいえるアキも照れている。

その後、スリーJプロ(というか黒川家)に場所を移して、何かというと「うわあ~」と心の声をあげるアキだが、種市がシャワーから出てきた後、「あのすいません。さすがにうるさいでしょうから一旦心の声をオフります」というモノローグがあった。

この回、スリーJプロの留守番電話が活躍するが、シナリオにはその応答メッセージがこう書かれている。アキの声「じぇじぇじぇ!こちらスリーJプロダクションです。ただいま留守にしております。ご用の方は『じぇ!』という発信音の後に…」発信音は普通加工できないと思うのだが。

第125回。アキの部屋。アキが種市の頭を傾けて空気を抜く動作に笑い出した後、南部ダイバーをふたりで歌い出す。最後は種市が「…だめだ!いっそんの顔が頭から離れねえ」と言い出す。こうなるともうロマンティックなシーンというよりコントのようだ。

水口と正宗が乱入した後、正宗が春子とのなれそめを語り出すが、水口が「で」と促すと正宗は「で、結婚しました~」水口「ダメでしょ。言ってる事とやってる事が全然違う」アキ「いいんです。パパはママをタクシーで拾った事で、一生分の運を使っちゃったんです、ね? 普通はちょっとずつ大事に使う運を一気に使って…」という会話が省略されていたが、これは後の台詞の布石にもなっている。

太巻のオフィス。小野寺とアキのどちらを選ぶか、というシーンで、鈴鹿が「主題歌、結局誰が歌うんでしたっけ?」と言い出す。「今回も、私が歌ってもいいですけど」これに河島が同調して「それいいかも」と言い出すのだが、太巻は鬼の形相でにらみつける。終盤で春子が想像したように、鈴鹿が本当は音痴でなかったとしたら、これはどういう意図だったと思えばいいのだろうか?

結局、太巻はアキを選ぶのだが、この時の独白が「天野を吹き替えで使ったらまた後悔するぞって…」と個人的な思いになっている。ここは視聴者としてはこう言ってほしかった。「…しかし商売人としての勘が天野アキをヒロインに映画をとれと言っている。小野寺だと彼女のファンしか見ない映画になるかもしれないが、天野ならあらゆる映画ファンに評価してもらえる映画になるかもしれない」

第126回。北三陸駅。ユイちゃんの本気獲りお披露目。ここで観光協会の菅原が映画主演決定記念としてアキのサイン入り手ぬぐいを3千円からでオークションにかけていた。

リハーサルのシーン。「生まれたての仔鹿」は古田新太のアドリブだというのは有名だが、たしかにシナリオには、白熱するリハーサル風景、としか書かれていない。

1シーンまるまる省略されていたが、無頼鮨で鈴鹿とアキの反省会が開かれていた。ここで鈴鹿がアキの台詞を方言指導の先生に聞かせたと言っている。鈴鹿「あんたの東北弁、デタラメらしいわよ」種市も「いや、もう慣れましたけど、最初は虫酸が走りましたね」梅頭「最初、沖縄の訛りだと思ったもんね」と壮絶なダメ出しを受けていた。

自分でも「いんちき東北人」と言っていたアキだが、さすがに凹んだようだ。まあ、もともと1年しか岩手にいなかったところに、GMTの仲間からさまざまな訛りが伝染っていたので、当然といえば当然か。

 

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