コンテンツ評論 テレビ番組評

#あまちゃん 第20週「おらのばっぱ、恋の珍道中」再見

若き日の夏と橋幸夫

若き日の夏の思い出は橋幸夫とのデュエット

夏ばっぱが東京に遊びに来た。

いままで一度も北三陸一帯から出たことのない夏だが、東京で会いたい男がいる、という。
「あまちゃん」はここまで、春子を中心とした1980年代の物語と、アキを中心とした2008年からの現在の物語の行き来で構成されてきた。
がしかし、ここで一挙に46年前、夏の若い日の出来事にさかのぼる。

それは橋幸夫とのデュエットの思い出。
夏は、鈴鹿ひろ美の仲介で橋幸夫に会うことができた。

はたして若き日の夏が会った橋幸夫はホンモノだったのか? 回想のコンサートシーンでは「橋幸夫歌謡ショー」の看板の幸の字の横棒一本だけが別の色で塗られている。それが何かしら怪しげさを感じさせる。まさか、橋辛夫とかいうニセモノではなかったろうな。

そして橋幸夫が46年前に一度会ったきりの夏を覚えていた。はたして本当にそうだろうか? 無言のカットだが、逃げていく夏を鈴鹿と橋幸夫が指さしている場面が挿入されている。当然、アポをとるために電話などで鈴鹿は事情を説明したはずだ。台詞は聞こえないのだが、ふたりの表情が「あの方がお電話でお話しした天野夏さんで」「ああ、あの方がそうなのね」というやりとりに思える。としたら、橋幸夫は記憶はなかったとしても、ああいう感じに声をかけることはできただろうとは思うのだ。ま、覚えていたかどうかはどうでもいいことだが。

ここではじめて提示された「北三陸の元祖アイドル=天野夏」という図式、これが終盤に向けての布石になっているとは。
ここまで夏ばっぱを演じて、厳しい表情も優しい表情も見せてきた宮本信子が、この週は初々しい少女のような表情を見せるのも見もののひとつだ。

そしてこの週の中盤は、前週のラストであらわれたユイの母よしえの帰郷が大きな出来事。

ユイとの再会は、はたしてこのかたちが最良だったのか、考えるところだ。アキがヒロシに電話し、ヒロシが後先考えずにユイに伝えたので、ユイは上京をドタキャンした。もしユイには知らせずに上京させ、高揚した気分のまま東京で再会させたらどうなっていただろうか?

この週の終盤は太巻映画祭のオーディションというアキにとっての芸能活動のさらなるステップのはじまりでもある。

第116回。無頼鮨。大吉が種市に「橋幸夫来ねえが?」と聞き、梅頭が「寺門ジモンは来るけどね」と答えた後、アキが「オラがもうちょっと売れでればなぁ。子供番組ど、予備校のポスター、あどたまにバラエティさ出で『うめえ!』どが『辛え!』どが叫ぶぐれえだもの」と言っている。この時点でバラエティ番組のオファーはたまにあるようだ。

第117回。スリーJプロ。夏と大吉が帰るのに対して安部ちゃんが「もうちょっと頑張る」と言っていた。「まだ何も残してねえもの、形になるもの何が残さねえ」「せめてアンベーズの1号店ぐれえは構えねえど」と言う。まめぶカフェの店名のようだ。

第119回。無頼鮨。太巻と河島が鈴鹿に出演依頼をするシーン。太巻が「とはいえ間違いなくコケるでしょう」といった台詞に続きがあった。「でも今しかない…どうせコケるなら、表通りでコケたいんです」「一年後じゃ遅いんです。裏通りじゃ、コケたことに気づいてすらもらえない」太巻にはかなりの危機感があったようだ。

第120回。スリーJプロ。種市からの電話で「潮騒のメモリー」リメイクを知った春子が「監督の許可は取ってるの?取れるわけないよね、だって監督はもうお亡くなりになってますから!」と言う。オリジナル「潮騒のメモリー」を撮った監督は死去ということらしい。

アキに書類審査合格の知らせが届いた後のシーン。アキは鈴鹿ひろ美にお礼のメールをしたらしい。その返信が『なんで綿死が、甘い野さんを贔屓するの? 茶んチャラお菓子』
読んだ正宗が「…なんか怖い」と言っているが、アキは平気で「変換間違いは元からだ、そうでねくて、書類選考には鈴鹿さんノータッチなんだど」と答えている。

東京編のクライマックスともいえる映画「潮騒のメモリー~母娘の島~」の制作が公にされ、アキはそのオーディションに参加することになった。

そして、夏ばっぱが倒れて救急搬送されるシーンでこの週は締めくくられる。

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