コンテンツ評論 テレビ番組評

#あまちゃん 第17週「おら、悲しみがとまらねぇ」再見

アキの前に若き日の春子が出現する

アキの前に若き日の春子が出現する

前週、ついにアキが知ることになった「潮騒のメモリー」をめぐる真相。
この週は、過去の因果が現在のアキに襲いかかってくる。
最後には、太巻がラスボスよろしくアキの前に立ちふさがることになる。

少しずつ真相を明かしながら、過去と現在を交互に配置しつつ物語を進行させていくのが、「あまちゃん」でクドカンがとった手法だ。この週は、アイドルになれないまま3年を過ごし、崖っぷちを迎えた春子と、奈落に訪れたデビューのチャンスに一喜一憂するアキとが、対照的に描かれる。

そして、回想シーンではなく、アキの目に生き霊のようにあらわれてくる若春子の初登場もこの週だ。

第97回。正宗のマンションを訪れたアキ。思い出話を聞き終わって、感想をもらす台詞があった。「要するにアレだな、ママを偶然、しかも3回もタクシーで拾ったごどで、パパは一生分の運を使い果たしたんだよ。だがら、そんな感じなんだよ」「なんかパッとしないんだよ(笑)もう、人生アガリだよ、いがったなぁ」さすがに正宗もいい気はしなかったようだ。

第98回。無頼鮨で鈴鹿とアキ。母親役しか来ないと嘆く鈴鹿は続けて大将梅頭の噂話をする。「あの人…痴漢で捕まったことあるのよ」「元高校球児なの、ねえ大将!ホエールズのプロテスト受かったのよ。でも怪我に泣いて。ねえ大将!その後は転落人生よ、怪しい水売ったりカラオケボックス始めたり、ねえ大将!テレクラで知り合った女に多額の保険金かけられてねえ大将!」

その後、鈴鹿は春子の話を聞いて「自分の果たせなかった夢を娘に叶えて欲しいのよ」とアキに言うが、それに対するアキのモノローグがシナリオと放送では逆だ。シナリオでは「考えもしながったが、確かにそうだ、んだがら最初は反対したんだ」と納得したかたちになっているが、放送では「なぜ反対したんだ?」と疑問形になっている。

GMT寮で、安部が岩手物産展の話をし、アキがそれを手伝おうと提案した後。入間が「ウチら岩手じゃねえもん」と難色を示している。アキが「そごはおめ、お互い様だべ。宮城、埼玉、沖縄、佐賀、メンバーそれぞれの出身県の物産展には必ず駆けつけて、手伝う代わりに1曲歌わせてもらって」と説得している。物産展の手伝いはこうして決まったようだ。

第99回。GMT寮。太巻がGMTのデビュー曲を作っていることを伝えた水口。喜屋武が「当然、センターはマメりんだよねえ」と確認したのに対して「太巻さんの事だから、敢えて外してくるかもな」と答えている。

第100回。純喫茶アイドルでのヒロシ。「アキちゃんがいる場所は、他の場所より、ちょっとだけ温度が高くて、明るいんだよ」と言う。上京時に春子が言った。「周りが変わったんだよ」の変奏のような台詞だ。

上野駅でヒロシに母親の目撃を打ち明けたアキ。「ユイちゃんもストーブさんも、人が良すぎるべ、足立家、人が良すぎるべえ!」

第102回。喫茶軽食リアス。ついにアキを応援するため上京する決意をした春子が、ユイにさまざまな事柄を託す。その伝達事項の多さが、実質的に店の運営が夏から春子に渡っていたことを感じさせる。おそらく、和解のあと、夏が春子に「お前の好きなようにやってみねえか?」と持ちかけたのではないか、と想像する。

太巻がラスボスとして立ちふさがると同時に、北三陸編のラスボスだった春子が応援団として駆けつけた。ここから東京編はまた別のステージに進む。

 

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