コンテンツ評論 テレビ番組評

#あまちゃん 第16週「おらのママに歴史あり2」再見

2013/12/27

アキはついに「潮騒のメモリー」に隠された秘密を知る

アキはついに「潮騒のメモリー」に隠された秘密を知る

東京編に入って初めて、アキが北三陸に帰ってきた。

なつかしい人々に迎えられて、傷心を癒すアキ。
だが、ただひとりユイだけは以前と違っていた。

「あまちゃん」には神週と言われる週が多いが、この第16週もそのひとつだろう。この週には、「あまちゃん」のすべての要素がたたき込まれている。完全シナリオ集第2部の序文として、訓覇チーフPがこの週について書いているが、まさにここにすべてが集まっている、と言える週なのだ。

大きく分けると、この週の前半は傷心のアキと変貌したユイの衝突と和解。そして、ユイのためにアイドルへの道を選んだアキが、改めて自分のためにその道を選び直し再出発する門出である。そして後半は、いよいよ「潮騒のメモリー」シャドウシンガーであった春子の秘密をアキに伝える手紙が焦点になる。

いつものようにシナリオ集からカットされたシーンを拾う。
第92回。85年の純喫茶アイドル。春子にプロフィール写真を撮ってあげるよ、と太巻が言った後、実際にその写真を太巻が撮っているシーンがあった。

第93回。海女カフェで働きはじめたアキのシーンの後、控え室のシーンがあった。かつ枝の計算によると、夏場でも7~8万の海女カフェの売り上げが、アキがいることで11万に跳ね上がっていた。融資を決めた銀行員の読みは当たっていたわけだ。しかしアキは「いづまでこっちゃさ居る?」と聞かれて「なして?オラに居られるど迷惑なのが? オラ、嫌われでんのが?」と拗ねてみせる。東京にもアキがいないと困る人がいるのでは?と言われてアキはこう答える。「東京には、オラの代わりはいっぺぇいる、それどごろが、オラ自身が誰がの代わりだ」

第94回。何回見ても、この回には「省略感」がつきまとっている。アキとユイが和解した後、水口が帰りかけた時作業小屋にはふたりはいない。大声でしゃべりながら坂道を自転車で降りていくふたり。その直後、アキは天野家に駆け込んできて、夏ばっぱに東京に戻ることを告げる。
アキとユイは自転車でどこかに出かけ、おそらくは語り合い、そしてアキは東京へ戻る決意を固めたはずだ。ここに省略されたシーンがあるのではないかと、シナリオ集にそれを探したのだが、見事にシナリオどおりの構成だった。クドカンはまさにここに「省略感」を盛り込んだのだ。ふたりが何を語らい、そして何がアキの決意を固めさせたのか、それは視聴者の想像力に委ねられたのだ。

そして出発の時。アキには弥生からブティック今野の服が渡された。「め、メディアの取材受げる時に着てけろ」という。そういえば、水口が北三陸を訪れた時にもお土産にもらったはずだが、アキはそれを着た気配がない。

回想で春子が「潮騒のメモリー」のレコーディングに呼ばれた時。太巻のモノローグで鈴鹿について「最初はふざけているのかと思ったが、違った。テイク15まで録って、絶対無理だと気がついたんだ」。という声があった。終盤、見事に「潮騒のメモリー」を歌った鈴鹿に、春子が音痴は演技だったのではないか、と語る。もし演技だったとしたなら、鈴鹿は15通りの音痴を演じ分けたということになる。

第95回。無頼鮨で鈴鹿と再会したアキ。鈴鹿がアキに「ウニとか中トロとか、高いのばっかり食べるわね」と文句を言っている。それに続いて「あ~あ、コストパフォーマンスの高い付き人だわ」という台詞が入っているが、これは間違いだ。高い鮨を食べるということはコストパフォーマンスが悪い(低い)わけだから。

この週はGMT編のターニングポイントで、ここからアキのアイドル修業は別のステージに入ることになる。

 

 

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