コンテンツ評論 テレビ番組評

#あまちゃん 第6週「おらのじっちゃん、大暴れ」再見

アキとユイにTV出演の話が来る

アキとユイにTV出演の話が来る

アキの祖父、忠兵衛さんが帰ってくる。
初回以来なぜ、春子とアキが忠兵衛が死んだ、と思い込んだままなのを放置したのかはわからないが、ひとことで言えば「面白いからだべなぁ」

タイトルほどには大暴れもしないが、忠兵衛の存在は「地元と東京」といった二項対立ではなく、さらに外側からみている人物を置くことで、テーマをより深めている。
忠兵衛いわく「北三陸も東京も、オラに言わせれば日本だ」そして、「ここが一番いい所だってことを確認するために外へ行く」という「あまちゃん」にとって非常に大切なワードが登場する」

アキの方言も安定し、一人称も「おら」にほぼ統一されてきた。キャラも確立したが、北三陸における地元アイドルとしてのポジションも固まったようにみえる。

この週の最大イベントは、アキユイコンビにとっての最初のテレビ出演。これをめぐって、アキとユイのスタンスの違い、春子と足立功という親の立場からの見方、町おこしの主体である大吉や菅原たちの思惑などがあらわれてくる。

ユイは、直接東京でのアイドル挑戦ではなく、まず地元アイドルとしてのポジションを固め、そこを足がかりにアイドルデビューを狙う作戦に修正したようだ。アキはそんなユイを単純にすごいと思い、ユイを応援するために自分も出演することに決める。北三陸に来たときも、海女になるときも、アキはまず状況に従いその中で自分の「好き」を決めてきた。ここでもそのスタンスは同じだ。

春子と足立功が梨明日でアキユイのテレビ出演について話し合うシーン。本編では切られているが、功がユイの芸能界入りについて語る台詞がある。
「(ユイは)渋谷なんか歩いていたらスカウトされるレベルかな。テレビ出られるのかな」
「老後の楽しみとしてね、娘が芸能人になるのも悪くないって思うんだよ」
本放送時には、ユイの芸能界志向を「本人の望む道なら」として功が認めていたように認識していた。
しかし、自分にとっても楽しみにもなっていたのだな、と理解できる。

一方で、春子のアキに対する過剰プロテクトもまた発動される。と同時に、過去の自分と似た者同士としてのユイへの心配もはじまっている。もちろん、物語を最後までみた今は、春子がたどった人生を知っている。自分の失敗を娘に繰り返させたくない、という思いはわからないでもない。しかし、なぜこの時点で春子は自分の過去をアキにあかし、その経験から悟ったことを伝えなかったのだろう? なぜ隠しておきたかったのだろう?

アキの誕生日を前に正宗が再登場、いきなり忠兵衛と意気投合するなど、第2週で登場した時の気難しい感じは微塵もない。このシーンを最初にみたらこの人物を「暗い」という表現は誰もしないだろう。むしろ「軽い」。この週の演出が、コント出身の吉田ディレクターということもあるだろう。もっとも、このくらいでないとなかなか北三陸のファンキーな人々の間には溶け込めないのもたしかだ。

 

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