コンテンツ評論 テレビ番組評

「#あまちゃん: おら的ユイぶつ論~その2」

作中、ユイはさまざまな顔を見せる

作中、ユイはさまざまな顔を見せる

「あまちゃん」には手書きの企画書がふたつ登場する。

ひとつは、アキが書いた海女カフェの企画書である。
そしてもうひとつは、ユイが震災後にノートにしたためた「潮騒のメモリーズ現象 第二章」の企画書だ。

このふたつの企画書が、アキとユイのちがいを物語っている。

アキは、陸上で接客することの多かった海女1年目の経験から、観光客をどのようにもてなしたいかを考え、それを海女カフェというかたちにまとめた。

ユイは「潮騒のメモリーズ」として、自分がどのように復活し、活動を開始したいかを考え、それをノートに書き記した。

■月と太陽

アキの思考は、常にオープンであり、他者に向いている。いっぽうユイは、常にクローズドであり、自分中心だ。ユイが他者を受け入れるのは、それが自分のイメージに合致していて、自分の助けになる時だけだ。(これが腹黒いユイちゃんといわれるゆえん)

第143話で勉さんがポツリと言う「月と太陽」が当てはまる。これをアキが太陽、ユイが月と解釈している人が多いようだが、私は逆と見る。

アキは月である。なぜならば、アキは他者の思いを受けてこそ輝くからだ。海女になったのも、アイドルになったのも、その背後には夏ばっぱやユイや、春子の思いを受けている。

ユイは太陽である。ただし、不安定な恒星なのだ。自ら輝こうとするが、時にその光は力を失ったり、色を変えたりする。強く輝いた時には、すごい明るさを発揮するが、時には消えそうなほどに暗くなってしまうこともある。

このエピソードで種市が語る「ユイはこっちがユイの笑顔を見たくなるけど、天野(アキ)はこっちが先に笑っちまう」がこのことをよくあらわしている。

ユイは、常に自分がどうしたいか考えている。そして、そのためにはどういう人物の援助が必要か、どういうシチュエーションが必要なのか、情報を収集して構想を作っているのだ。一種アナリスト的な性格を持っている。

第62話では、ユイの部屋のコルクボードに、各地のご当地アイドルの記事の切り抜きが(自分たち「潮騒のメモリーズ」の記事も含めて)びっしりと貼り付けられていた。これがユイの頭の中である。

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