コンテンツ評論 テレビ番組評

「#あまちゃん: おら的ユイぶつ論~その1」

2013/12/27

足立ユイ(結衣)足立ユイのことについて考えてみたい。

ユイは、不遇である。
アイドルになるために上京できなかったことを言っているのではない。

ヒロインの親友、サブヒロインという位置にいながら、ドラマ的には脇役だからである。
「あまちゃん」には天野春子という副主人公がいる。ドラマは、春子について語ることに時間をかけている。その結果、ユイについて語ることが物足りなくなってしまった。

そんな不遇なユイの「語られなかったドラマ」を再構成してみようと思う。

■北三陸における足立家とは?

まずは、ユイの生い立ちから考えてみることにする。

ユイの父足立功は岩手県議会議員をつとめているが、前職は高校教師である。
天野春子や大向大吉の在学時には北三陸高校の教師だった。
定年後に県議選に出馬、当選したということになっている。

しかし足立家は、北三陸市にはない。
足立家の所在は畑野村だ。
アキが初めて足立家を訪ねたとき、その豪邸ぶりに感心するアキに向かってユイは「でもここ、村だよ」と言った。

ちなみに北三陸駅から北鉄(北三陸鉄道リアス線)で畑野駅まで、約1時間かかる。
(御座敷列車の折り返し地点が、畑野駅だ)
さらに、ユイの家から畑野駅までもそれなりの距離があるようだ。
(2009年の御座敷列車の朝ユイが行方不明になった時、父の功氏が「6時には駅まで車で送った」と発言している)
ユイの台詞に「東京まで片道7時間だよ!」という言葉がある。
つまり、それほどの田舎だということだ。
(あまちゃんファンで有名な達増岩手県知事が、このようにツイートしている。「岩手県の沿岸部には東京との時間距離(どれだけ時間がかかるかという遠さ)が日本最大の所があります。ユイの家があるあたりもそう」この東京からの距離感が、ユイの心情に大きな影響を与えている)

豪邸ばかりでなく、食事のメニューなどを見ても足立家の生活レベルは高い。
一介の高校教師(北三陸高校は県立高校である)の給与だけで、その生活が賄われていたとは、考えにくい。
ということは、土地や株などを相続していて、そこから少なくない不労所得が入ってくる家庭と考えてもいいのではないか。

地方の名家などではよくあるケース。
おそらく親戚などが会社を経営していて、その株式配当などで潤沢な収入が得られるのではなかろうか。
北三陸一帯で、たとえば建設会社などを経営していて、公共事業などで莫大な収益を上げているのだろう。

そういう一族に、地方政治家がいるのもよくあることだ。
おそらく功氏の議席も、地盤を親戚から受け継いだのだろう。
そうでなければ、一介の高校教師が定年後に県議選に出て当選することなど覚束ないはずだ。

そういう恵まれた一族に生まれた功氏だが、おそらく変わり者と呼ばれたはずだ。
本来なら大学卒業後、同族経営の会社に入り、ゆくゆくは経営陣に加わることを期待されていたところ、教育の道に進んだ。
しかも、勤務先が北三陸高校であるのに、遠い畑野村から自宅を動かさなかったところに、自らのルーツにこだわる頑固さが垣間見える。

さて、そういった一家に生まれたユイのことに話を戻す。

(Next : ユイはなぜ東京に行かなかったのか?)

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