コンテンツ評論 テレビ番組評

「Woman (日テレ系ドラマ)」をみた

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若手では出色の演技派女優満島ひかりの主演ドラマ。
今クール、もっとも質の高いドラマといってもいいだろう。

満島ひかり演じる、二人の子どもを抱えたシングルマザーが、幼い頃別れた母親と、ふたたび家族としての関係を取り戻すドラマである。

初回、そのドラマとしての質の高さにもかかわらず「主人公がかわいそうで見ていられない」という声が続出した。にもかかわらず、どんどん視聴率は上がっていったという。

たしかに、主人公は孤立したシングルマザーとして、切羽詰まった状況におかれたところからスタートする。ワーキングプア、子どもを抱えて働くことの苦労、そうした描写は涙をそそる。しかし、このドラマはそうした社会的な問題提起のドラマではないことが、徐々にわかってくる。

自分を捨てた母親にそれでも頼らざるを得ない主人公。自分のもとに戻ってきた娘を笑顔で迎えることができない母親。それぞれの感情が交錯し、ぶつかり合う。その確執が徐々にほぐれていく描写が見事だ。満島ひかりと、母親を演じる田中裕子の、それぞれの演技が魅せる。

このふたりに加えて、主人公の夫が死亡した原因を挟んで、異父妹を演じる二階堂ふみ、母親の再婚相手を演じる小林薫も素晴らしい。ただ、ちょっとミスキャストかなと思ったのは、回想シーンにのみ登場する亡くなった夫の小栗旬。私が小栗の演技を好きではないせいかもしれないが、別の俳優であれば、と思わないではなかった。

もうひとり、主人公の娘役の鈴木梨央がのびやかな演技で、素晴らしい。「八重の桜」で主人公の幼少期を演じた子役だが、もう完全に芦田愛菜を超えている。

テレビドラマとしては異例なほど被写界深度の浅い、映画的な映像づくりも、美しい。

Womanというタイトルが示すように、母-娘-孫娘の女三代の物語で、「あまちゃん」にも通じるな、と思っていたら、最終話でようやく「ただいま」「おかえり」の応酬がきたあたり、さらに共通性を感じてしまった。

ただ、サイドストーリーとして展開していた、福祉事務所職員と研修医の夫婦の物語は、中途半端でむしろ蛇足に感じてしまったのはご愛敬か。

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