テレビ番組評

「Tommorow ~陽はまたのぼる」最終回をみた

2010/12/11

地方の病院の再生を描いた連続ドラマ。TBSの日曜劇場の枠だ。

そもそも、このドラマを最初に見始めたのは、主人公(演じるのは竹野内豊)が医療ミスの責任をとって医者を辞め、地方の市役所職員として働いている、という設定だったからだ。地方医療の問題に行政からの視点は不可欠だから、普通の医療現場ドラマとは違った感じになるのではないか、と思った。

ところが、主人公が市役所職員だったのはほんの序章部分だけで、さっさと医者に復帰し、以降はほとんど病院の中だけが舞台になってしまった。

財政難に陥っている地方自治体が、赤字続きの市民病院を切り捨てることによって破綻を避けようとする。病院スタッフたちは地域の医療のよりどころである市民病院を守ろうとする、というのがストーリーの基本線だ。これは現在の地方医療の問題を反映したものだといえる。

いろいろと経緯があって、市民病院が閉鎖に追い込まれ、スタッフも転職を余儀なくされる。というのが最終回までの展開だ。最終回は市民病院が閉鎖された地域で大事故が起こり、閉鎖された病院に大勢のけが人が運び込まれる。散っていたスタッフたちも駆けつけ、地域の人々といっしょに緊急事態を乗りきる。その姿を見て、これまで病院切り捨ての首謀者だった副市長が翻意し、市民病院の存続に努力することを宣言する。

…と、ここでいきなり1年後に話しは飛ぶ。そこでは市民病院は、主人公の提案によるオープン型の病院(地域の開業医との連携をするものらしい)として見事に復活している。おいおい。

副市長が翻意したら病院は復活するのか。再建とはそんな簡単なものだったのか?

このドラマ、むしろ最終回をスタート時点にしたほうがよかったのでは?
意志は決まった。後は方法、そしてプロセスだ。これはユニークなものになっただろう。

これはドラマだから…、という言い訳が聞こえてきそうだ。

結局、 描きたかったのは「地域医療の復活」などというテーマではなく、それを背景とした人間模様にすぎなかったということになる。ドラマという形で本当に実行可能なシナリオを描いて見せるような志は、まったくなかったのだな。

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