コンテンツ評論 テレビ番組評

「あまちゃん」にみる地域経済効果

2015/06/10

「あまちゃん」の主人公天野アキ

朝ドラ「あまちゃん」にハマっている。
このブログでは連続ドラマに関しては終了直後に書くことにしているが、今日の回に興味深いシーンがあったので、ドラマの感想とは別の側面からちょっと書いてみる。

「あまちゃん」については私だけでなく大勢の人がハマっているようで、アマノミクスと呼ばれる経済効果をさえ醸し出しているようだから、検索していただければストーリーなどわかると思う。

主人公は、東京から母の故郷である岩手県にやってきた高校生天野アキである。アキはそこで祖母を中心とした海女集団に触れ、自らも海女になることを決断する。


先週土曜日の回では、アキは海女クラブのミーティングに参加する。新人海女のアキがテレビで取り上げられるなどして、海女漁が注目されている。ブームが過ぎないうちに、次の施策を打ちたい、というのがその趣旨だ。

アキは意見を求められて、海女がウニなどを取りに潜っている間暇だから、その間に客にくつろいでもらえる環境があればいい、と発言する。

「それは海の家みたいなものか?」と祖母の夏。
「海の家でもいいが、それだと夏の間だけになるから、たとえば冬にも客にきてもらえるように、カフェのようなものがいい」とアキ。
さりげない発言だが、これはすごいパラダイムの変換を含んでいる。

アキの住む袖ヶ浜は海女漁の北限の地といわれ(これは実在の久慈市小袖海岸の「北限の海女」をモデルにしている)実質的に観光海女ができるのは7月~9月の3ヶ月だけなのだ。それがゆえに海女は漁業家の主婦の副業にすぎず、観光資源とはいえ季節行事に近いものだった。

アキの提案は、これを通年客を呼べる観光施設にしてしまおうというものだ。いわば、行事から観光産業を起こしていこうという提案を我知らずしていることになる。このあたり、ドラマでは触れられていないが、アキが東京から来たよそ者であることによって、土地者とはちがった視点で海女漁を見ていることが大きいと思う。

今日の回では、無事に銀行の融資も得られて海女カフェ計画が始動し、オープン間際までこぎつける様が描かれた。と同時に、海女カフェのスタッフをかねた新人海女が募集され、大勢の女性が応募してきて、その中から数名が採用された様子も見られた。

これは、地域のアイドル的人気を得たアキに憧れて集まったように、ドラマのナレーションでは語られていたが、それだけではないはずだ。

アキまで20年以上海女のなり手がなかったのは、それが通年の仕事ではなかったからではないか? 海女カフェが通年の観光施設として常設されることにより、通年フルタイムで海女の仕事ができるようになる。おそらく過疎のこの地域では若者の雇用は多くはない。こうした施設ができることによって、通年の仕事として海女ができるなれば、地元で仕事をしてみようという気になる女性が大勢いた、ということだろう。

「あまちゃん」の物語には、さまざまな要素が編み込まれている。その中のひとつが「町おこし」ということだというので、非常に楽しみである。また気がついたことがあったら、書いてみたい。

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