ネットとコンテンツの関係論

楽天のTBS経営統合提案に思う

2011/01/07

IT企業がTV局を狙うという話が出てくるたびに思うこと。


その1、TV局のこの話題の扱い方、偏重してやしないか?

番組が変わるたびに同じような解説を繰り返されてもう飽き飽き。
トークのテーマも「良しか悪しか」か「どうなるの?」しか視点がないような気がする。

どこかの番組で、ITに詳しいコメンテーターやら、ブログやネットショッピングに精出している芸能人を呼んで、ITとTVの融合を本気でやったらどうなるか、ディベートをやらないだろうか。

そもそも、IT側のトップも「テレビショッピングとネットショッピングの融合」なんて、低次元の話をしないで、きちんとした融合ビジョンのプレゼンテーションをしないから、結局は資産目当てだとか、悪口を言われるのだ。

「ほほー」と感心するようなプレゼンテーションができないとしたら、IT屋さんの方も準備不足だろう。

また、TBSの方も社会の公器だとか言うのなら、特番組んで「TVとITの融合がもたらすものは?」というディベート番組をやったらいいだろう。ホリエモンも三木谷氏も、呼ばれたら出ざるを得ないよ。その場で論破するのが、言論機関としてのあり方だろう。

それもしないで公共性のみ云々するというのは、プライドだけ高くてブレーンもソウルもないと思うな。


その2. そもそもTV局にコンテンツ、あるいはそれを生む能力はあるのか?

IT企業がTV局を狙うたびに「IT企業にはコンテンツを配信したり販売したりする能力はあるが、コンテンツを生む能力がない。TV局にはそれがあるから…」と解説される。

だが、それは本当だろうか?  

というか、毎日コンテンツを作っては放送しているTV局だから、間違いなくあるには違いない。だが、TV局のコンテンツ生産能力はIT企業の考えているほどのものなのだろうか?

そもそも、TV局が価値あるコンテンツを十分に生み出せる能力がなくなった、と指摘されるようになってから大分経つような気がする。

ひとつには、景気後退によって十分な制作費をかけられなくなったからだ、ということも言われる。だが実際にはそうした制作現場に嫌気がさして、コンテンツを生み出す能力を持った人材が業界を去っているからだ、と思う。

今の日本映画界も、ほとんどTV局や広告代理店に"おんぶにだっこ"だよね。

要するに、TV局の貧弱きわまりないコンテンツ生産能力に、IT屋や映画界がハゲタカのごとく群がっている図式なのだ。

その中で、誰も日本全体のコンテンツ生産能力を底上げする、とかコンテンツを生み出せる人材を育成する、という発想にならないことが怖い。

十年、二十年かかる人材育成に、即断即決即成果が上がることを望むIT企業が本気になるわけがない。としたら、誰がいったい日本のコンテンツ生産能力を育ててくれるんだ?

そのうち、誰かがなんとかする。あるいは、コンテンツ・クリエーターになりたいやつは自分で自分を育てるよ、と皆が考えているんだろうか。石油資源のように、このままでは日本のコンテンツ生産能力はやがて枯渇してしまうかも知れない。

国が本気をあげて取り組まなくてはいけない問題だと思うよ。私は。

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