ネットとコンテンツの関係論

TBS・楽天問題は決着したのか?

2011/01/05

結局、楽天はTBSとの経営統合を取り下げて、両者で業務提携の道をさぐるということで覚書を交わしたようだ。

Internet Watchの記事より、

 TBSと楽天は30日、資本・業務提携に関する協議を開始することに合意したと発表した。提携に関する覚書には、みずほコーポレート銀行が立会い人として調印したという。

 発表された覚書の骨子は、以下の通り。

1.TBSと楽天は「放送とインターネットの連携」を実現するために真摯に協議・検討を開始するものとし、そのための「業務提携委員会」を発足させる。

2.楽天は「共同持株会社設立による経営統合」の提案については一旦取り下げる。(…)

業務提携の道をさぐる…、というので奇妙なデジャブに襲われる。

たしか、フジテレビとライブドアも同じような文句で和解したのではなかったか。その後、両者の間でどんな業務提携が協議されたのか、私は知らない。
速度を重視するIT企業のスケールで言うと、数ヶ月経っても何も結論が出ないということは、もう捨てたと同じことではなかろうか。

ということは、TBSと楽天で言えば、楽天が撤退したということになるのだろうか。

asahi.comの記事より。

 11月30日の東京株式市場では、楽天とTBSの株価が対照的な動きを見せた。ジャスダック上場の楽天は、前日の終値より3600円高い8万7000円で取引を終え、10月14日以来となる株式時価総額1兆円を回復した。(…)

 楽天の株価は、経営統合交渉が難航してTBS株買い増しのための借り入れによる財務体質悪化や増資に伴う株価下落の観測が強まり、10月下旬から低迷していた。(…)

 一方のTBS株は、「楽天が当面は株を買い進める可能性がなくなり、値上がり期待がしぼんだ」(IT担当の証券アナリスト)ため、売られたとみられる。

結局経営統合の可能性よりは、株価低迷に対処することを選んだ、ということだろうか。

つまり、撤退するための花道として「業務提携委員会」という名前が用意された、のだろうか。

日本には「考えておきます」という、ていのいい断り文句がある。外国人が後日、考えていただきましたか? と連絡してきて困らせた、という話があるが、これは断っているのである。きっと、この委員会もそういうことなのだろうな。

ただ、一方では、こんな話もある。

東京新聞の記事より
 TBSなど在京民放キー局五社が電通と提携し、来春から無料でテレビ番組のインターネット配信を始めることが二十六日、明らかになった。電通が番組に広告をつけ、同社が新設する運営会社が配信する計画で、この運営会社に民放各社が出資する方向で調整している。

 TBSはすでに運営会社への番組提供と出資に応諾した。

電通は民放の黎明期からその広告収入をサポートしてきた広告代理店である。結局のところ、ネット配信がどうのということではなくて、相手の顔が問題だったようだ。

三木谷社長は、この後どういう手に出てくるか(あるいは出ないか)わからないが、どうも電通に先を越されることになりそうだ。

ただ、既存業界のメンバー同士で本当に新しい事業ができるのか、未知数ではある。

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