映画・DVD評(邦画)

「四日間の奇蹟」をみた

2011/01/05

監督:佐々部清

Story
朝倉卓弥原作の同名小説を、吉岡秀隆と石田ゆり子の共演により映画化したファンタジックラブストーリー。不慮の事故により夢を絶たれたピアニストの男・如月敬輔と、落雷事故により4日間の命と診断された女性・岩村...(詳細こちら


「このミステリーがすごい」でランキングされたことによってベストセラーになった原作は、たまたま私は数ヶ月前に読んでいた。しかし、話としてはミステリーではなく、ファンタジーに分類されるだろう。

知的障害を持つがプロはだしのピアノの腕を持つ少女千織と、その後見人で事故により演奏を断念した元ピアニストの敬輔が、瀬戸内海の角島にある脳障害者のリハビリ施設でピアノを演奏するために訪れる。

そこで出合った真理子は、敬輔に昔思いを寄せていた高校の後輩だった。普段人になつかない千織も真理子にだけは心を開く。そうして、過ごす時間の間に事故が起こり、千織をかばった真理子は瀕死の重傷を負ってしまう。

事故以来千織の様子がおかしいことに気づいた敬輔に、千織の口から「私は真理子です…」という告白が…。

千織役の尾高杏奈は、とても難しい二つの役を見事にこなしている。知的障害者の千織自身と、千織の身体に宿った真理子としての役である。ピアノの演奏も自身できっちりこなしている。真理子としての台詞は、さすがに少し背伸びを感じるが。中学生だというが、今後の成長が楽しみだ。

後半真理子が瀕死に陥ってから、千織の身体に宿った真理子を、尾高杏奈が演じたり、石田ゆり子が演じたり、交互に表現が切り替わる。このあたりに、小説ではなかった映像による表現の難しさを感じる。

現象面を見たら身体は千織のはずなので、尾高杏奈が演じるのが当然である。しかし、心は真理子であるし、真理子の人生を語る台詞もあって、やはり石田ゆり子の演技を取り入れないことには表現が十分ではない。

おそらく、佐々部監督も悩んだ部分があっただろう。最初は違和感があった。しかし、最後のシーンですべてが落ち着いたような気がする。

お涙頂戴とはまた違う、自然に涙を誘うストーリーの盛り上がりが心地よい。

吉岡秀隆は「ALWAYS~三丁目の夕日~」よりこちらの役の方がハマっていると思う。

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