映画・DVD評(洋画)

「宇宙戦争」をみた

2011/01/05

Story
S・スピルバーグ監督がメガホンを取り、トム・クルーズとダコタ・ファニングを主演に迎えて放つ、53年公開のSF映画のリメイク版。地球の侵略を目論む異星人とそれに立ち向かう人類の姿を最新のCG映像を織り交ぜて描...(詳細こちら


「宇宙戦争」というと、なんとなくスターウォーズを思い浮かべるが、原題は"War of the worlds"で、「世界どうしの戦争」みたいなニュアンスである。HGウェルズの原作は、侵略テーマSFのはしりともいえる。

トム・クルーズ扮する父親は、娘と息子を抱えてひたすら逃げるだけの一般庶民だ。最初にトライポッド(宇宙人の戦闘マシン)が登場した時に、ほとんどの電気製品は駄目になっている、という設定なので、逃げながらもごく断片的な噂以外まったく情報が入ってこない

これは、目の前で起きている現象に観客の注意を集中させるためなのかもしれない。ビジュアルの完成度に自信があるからなのかも。しかし、私としては、次々と「どこの街が壊滅した」「どこの橋が破壊された」などと伝わってくる方が怖いと思うんだけどな。

途中で一緒になった元救急車の運転士が口にした噂の中には「大阪では何台か倒したらしい」とあったのだが、大阪で展開されていた「もうひとつの宇宙戦争」も見たかったなあ。

ヘビみたいなトライポッドの触手(先端にレンズがあってライトを点灯させるから、やっぱしメカだな)はまだしも、その後直接宇宙人らしいのが探索に来たが、あれは見せない方がよかったのでは? ほとんど失笑もので、あれを見てしまうと「倒せない相手ではなさそう」と思う地球人が多かったろう。

だいたい、トライポッドは街ができるずっと前から埋まっていて、宇宙人は後から来て乗り込んだ、ということになっている。ずっと地球を監視してた、らしい。なんで今なの?

一万年くらい前に侵略しておけば、ほとんど抵抗らしい抵抗もなくて、簡単に侵略できただろうに。

最後、地球の病原体に感染した宇宙人が死滅して、トライポッドが動かなくなった、というオチ。地球をずっと監視していたなら、病原体くらい調べとけよ。要するに勝手に暴れて、勝手に自滅した。ニンゲン関係なし。

軍隊とか、立ち向った人の描写はほとんどなくて(一回だけ、付け足したようにトム・クルーズが手榴弾をトライポッドの中に押し込んで倒すが)ひたすら逃げるだけの話なので、あんまし爽快感なし

スピルバーグ監督はだいたい敵をドラマティックに描くんだけど、敵側がさほど面白く描けていないと思う。

地球侵略をダシにして、逃げ惑う人間たちの醜さ、身勝手さを描くドラマにした方が面白かったような気がしましたけど。

娘役のダコタ・ファニングがうまい。アメリカ版安達祐美だね。

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