テレビ番組評

「スジナシ」を見た

2011/01/05

スジナシ」というのは、1998年にはじまった中部日本放送制作の番組である。
なんで私が知っているかというと、昔大阪でも深夜枠で放映されていたからだ。
何回も見ないうちにこちらでの放映は打ち切りとなったが、その面白さはずっと記憶に残っていた。
今回、DVDがレンタル開始となったので、さっそく借りてみたわけだ。

笑福亭鶴瓶が、毎回ゲストの俳優ひとりと、15分程度の即興芝居をし、その後プレビューを見ながらトークを繰り広げる、という趣向。セット、衣装、持ち道具類の用意だけがあって、台本なし、打ち合わせなし、ストーリーは出役ふたりの思いつきでその場で作られる。

ご存知かどうか、鶴瓶といえばその昔「突然ガバチョ」という番組で即興落語をやって、売り出すきっかけとなった。即興界では知られた存在だ

今日見たDVDのゲストは、奥田瑛二、大杉漣、古田新太の三人。昔、奥田瑛二の奴は見た記憶がある。

打ち合わせなしだから、それぞれの出役の思いつきがガチンコでぶつかり合って、思いもよらない展開を見せる。それが滅法面白い。

たとえば、奥田瑛二の回は、深夜の神社が舞台。奥田瑛二はリストラされ妻子に逃げられた尾張弁の男を演じ、それに対して鶴瓶はうだつの上がらない漫才師だと自己紹介して切り返す…。

文字どおりスジナシだから、俳優の性格や演技力がもろに出てしまう。本人たちも、とまどい、驚き、必死に考えながら演じているのだ。

輪をかけて面白いのが、事後のトーク。プレビュー画面を見ながら、あの時はこう考えていた、相手の作り出した展開にどう反応した、というトークが、鶴瓶の話術もあって、また爆笑をさそう。

考えてみれば、どんなリアルな芝居だって、あらかじめ段取りが組んであり、リハーサルだってしてあるのだが、即興だと瞬時の判断や発想が展開を変えていくのだから、これは見るほうだって予測がつかないのだ。

予測がつかないことほど面白いことはない。

現在も月一回放送しているらしいが、大阪にもネットしてくれないかなあ。

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