テレビ番組評

「理由/日テレバージョン」の理由

2011/01/05

おそらく、今、多くの人が首を捻っているにちがいない。

ちょうど今、オンエアが終わりかけている「理由/日テレバージョン」についてである。

わからん。いったい、これは何なんだ?

(その評価は別として)ちゃんと作品として完成している映画を、そのメイキングや、新たに撮影したわけのわからんシーンと混ぜこぜにして、テロップ入れ倒して、わざわざ「日テレバージョン」なんて名づけて放映する必要が、どこにあったのだろう?

ディレクターズ・カットというのは聞いたことがあるが、テレビ局カットというのは聞いたことがない。いわゆる、テレビサイズに編集したようなのは、ざらにあるわけだが。

何より、そんなコストをかけずに大林監督の「理由」をそのままテレビ放映してはいけなかったのは、なぜ?

最初は映画とテレビのメディア特性の違いから、何か実験的意図があるのかと思っていたが、どうもそんな感じもしない。

この映画については、数ヶ月前にDVDで見た。今回こんな形で再見することになるとは…。(映画そのものに関しては、後日また書いてみたい。原作を再読することにしたから)

監督:大林宣彦

Story
宮部みゆきの直木賞受賞作品を巨匠・大林宜彦が映像化したサスペンス。荒川区にそびえ立つ超高層マンションで起こった4人の男女の惨殺事件の謎を解き明かしていく。岸部一徳、柄本明他、107名の“大林ファミリー”が...(詳細こちら


後で検索してみると、日テレのサイトに下記のような文章があった。

>さらに、日テレバージョンとして、大林監督自らメガホンをとり、
>この事件を「ズームインSUPER・夜の特番」内で平成の事件簿として
>新展開。OAタイムとシンクロして番組も進行するという、まさに
>ドラマの醍醐味=虚実皮膜のおもしろさをさらに追求。
>テレビ番組として再編集して放送します。

虚実皮膜の面白さ、というが、はっきり言ってあの番組に「実」の部分があったろうか?

あるとしたら、羽鳥・西尾両アナウンサーが「ズームインSUPER」の体裁で突然案内をはじめるくだりが「実」ですか? 

それとも、寺田農がロケ地を歩くレポート(あきらかに事前に収録してあったにもかかわらず、11/8取材とテロップが入っていた。当日にロケして、急いで編集差し込みしたんですか?)が「実」ですか?

映画シーンの中に差し込まれる、そのメイキング映像が「実」ですか?

私には、そのどれもが「実」には見えず、虚の上に虚を重ねたようにしか見えなかった。

意図が見えないので、「面白い試みであった」というコメントすら出せない。

当日放映中に2ちゃんねるの実況スレッドを覗いてみたが、とまどいのコメントがたくさん書かれていて、その方がよっぽど面白かった。

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