映像文化を語ってみる

映像コンテンツを育てるビジョンとは

2011/01/05

NHKや民放など放送事業者、ネット動画配信に進出をはじめたIT企業、そして政府や自治体のいずれにも映像コンテンツ生産力を育てるビジョンがない、とは当ブログで何度か批判してきたことだ。
(付け加えるなら、映画業界とか、広告業界とか、いろいろあるが)

こちらから何のビジョンも提示せずに批判に終始するのは本意ではない。
今ばくぜんと私が考えていることを今年の締めくくりとして記しておきたい。

第一の対策は、教育である。
それも、大学や専門学校といった高等教育ではなくて、低年齢での映像表現への興味の持たせ方だ。
これについては、かつて「映像づくりは教育になるのじゃないか(10/30)」というエントリで記している。
小学校高学年くらいからの映像制作体験によって、映像表現への興味を持たせようということである。
(もちろんこれはクリエーター育成ばかりでなく、一般的な表現教育としても通用すると考えているが)

第二の対策は、個人や小規模グループの映像クリエーターに対する発表機会・メディアの提供だ。
これは、おそらくネット動画配信などがその役割を担うことになると思う(そういう意味で、GyaOの動画ブログ、TVバンクの動画投稿などには期待している)が、必ずしもそればかりにはとどまらない。
深夜枠でもいいが、テレビにも機会提供をしてほしいと考えている。
さらには、上映会などのイベントももちろん大事だろう。

ここで、インセンティブを組み合わせるということが望ましい。
優良コンテンツを作る能力があることを示したクリエーターには制作費、さらには報酬の提供をし、段階的にプロ化できるような仕組みづくりがあるとよいと思う。

このふたつの対策が、いわば入口と出口になる。
さらに、中間が必要ではないかと私は思っている。

第三の対策とは、新規に育ってくる映像クリエーターに、われわれ映像制作プロフェッショナルのノウハウを提供するというサポートである。
いわば、今までのプロが蓄積してきた映像づくりの「文化」を伝承してもらえる(それも従来の徒弟制度とか映像制作現場への就職というかたち以外での)仕組みづくりだ。

映像制作には莫大なノウハウが必要となる。また、映像や音響のクォリティ維持に対する知識や意識も必要である。こうしたノウハウは既存映像制作業界には蓄積されているが、新規参入クリエーターには希薄だ。
これらのノウハウを共有化することで、全体的なレベルアップをはかれるはずである。

この三つの対策が、現在の私の持っているビジョンなのである。
2006年は微力ながら、この中で自分のできることに着手していきたいと考えている。

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