コンテンツ評論 映画・DVD評(洋画)

「リンカーン」をみた

lincron121106_01映画の日だから、映画を見ようと思ったけど、適当な作品がなかった。
あまり気が進まなかったけど、名作らしいのでこれを見ることに。

これはエイブラハム・リンカーンの伝記映画ではない。
リンカーンは二期目の当選をはたしたばかりの大統領として登場し、有名なゲティスバーグの演説も、最初のほうで逸話的に挿入されるだけ。

ではなにが焦点になるかというと、奴隷制度の廃止を決めた憲法修正案の採決をめぐるリンカーンと周囲の苦労である。

当時は南北戦争の末期、南部連合との講和がそこにからむ。
このあたりの政治状況については、アメリカの歴史に暗い私など日本人には、なかなかすんなり理解できないものがある。

ふと思うんだが、こういう映画の時、解説つき上映というのはあってもいいんじゃないだろうか。
最初にスピルバーグ監督自身が登場して、本編への思いを述べる。
できれば、アメリカ圏外の観客に向けて、この当時の政治状況や奴隷制度の実情について簡単にしゃべってくれれば理解しやすかったのに、という思いがある。

で、憲法修正の採決をめぐって、政治的な駆け引きやロビイストによる政治工作などが展開される。
反対派の多い民主党議員への買収工作など、はたしてこうあからさまに描いてもいいのか、と思わせる。

民主主義の原則からいうと、奴隷制度の善し悪しよりも、この採決の有効性について考えてしまう。
そのわりに奴隷制度がなぜ廃止されねばならないのか、この点についてはあまり話されていない。
奴隷制度の悲惨さとか、北部と南部の経済状況の違いとか、アメリカ史に詳しくない私たちには、もっともっと教えてほしいことがあった。

結局、アメリカ人の、アメリカ人による、アメリカ人のための映画だったということかな?

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