映画・DVD評(邦画)

「ハウルの動く城」をみた

2011/01/05

宮崎アニメは、脇役が素晴らしい。
この映画で言えば、火の悪魔カルシファー蕪頭の案山子カブなど。
さらに、わずかワンシーンしか登場しないザコキャラであっても、ちゃんと存在感を持ってるところが並ではない。

本当は、題名そのものである「動く城」をもっと描いてほしかった。
意外とああいう、寄せ集め、増築に増築を重ねてわけわからなくなってしまった建物とか、好きなのである。

だから、「動く城建造秘話」みたいなのがあったらなあ、と思っている。

監督:宮崎駿

Story
イギリスの児童文学作家、D・W・ジョーンズの原作を宮崎駿監督が映画化。魔女により老婆に変えられてしまった少女と魔法使い・ハウルが“動く城”で奇妙な共同生活を始める。ふたりの“戦火の恋”を通して、生きる楽...(詳細こちら


荒地の魔女に呪いをかけられて老婆に変えられてしまったソフィーが主人公。どこかに少女の姿に倍賞千恵子の声がどうも合わない、という感想を読んだのだが、聞いてみると意外とそうでもない。まあ、18歳には聞こえないが。

俳優というのはいつもは自分の顔ととともに芝居をしているわけで、声優のように姿とかけ離れた声を出す訓練をしていない。それを考えたら、倍賞千恵子の演技はなかなか善戦しているといってもいいだろう。

ソフィーの状態が、老婆と少女というふたつしかないわけではないので、倍賞さんも声を作るのに困っただろう。

呪いをかけられてからも、ハウルの城に辿りつくまでは本当に歩くのもやっとという感じなのに、掃除婦をかってでてからは顔は婆さんだが、背もすっくと伸びて矍鑠とした動きになる。かと思えば、少女の姿に戻ったのに、髪は白髪のままだったりする。アニメならではの映像表現なのだが、どの状態がどういう意味なのか、よくわからないままに過ぎていってしまった。

ハウルを演じるキムタクは、割とうまく個性を消しているので、気にはならない。正直言って彼でなくてもよかったが。

宮崎アニメが「ナウシカ」以来描いてきたテーマである「戦争と人とのかかわり」の路線の物語である。
それにしては作品中で戦争について何も語られていない。どことどこが戦争をしているのか、戦争の原因は何なのか、どちらが勝ってどちらが負けているのか、ハウルはなぜ戦火の中を飛び回るのか、すべて説明されていないのだ。

だいたい宮崎アニメは説明不足なのが特徴だが、今回のこれはちょっと不足すぎる。ハウルの目的も、サリマンがハウルに何をさせようとしているのかも、わからない。
何がなにやらわからないうちにハッピーエンドを迎えてしまうのもちょっとね。

それとも、これはそういうことを気にしないで、ディテールを楽しむ映画なのかな。

なら、ハウルの動く城の案内映像がほしいなっと。

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