平成徒然草

電気用品安全法に思う(その1)

2011/01/04

ITmediaに小寺信良氏の「電気用品安全法は「新たなる敵」か (Side B)」が掲載された。

PSE法(電気用品安全法)の背景について詳細な解説をしていただいているのでありがたい情報であるとともに、思ったほど踏み込んではもらえず不満な部分も多い。

とりあえず気になった部分。

 1つは、それほど古くないものの中古流通で、まだ使えるのに勿体ない、というリサイクルの流れに沿った層。メーカーが中古市場を潰して新品を寄り多く売りたいんだろう、と考える向きもあるが、実態はその逆である。

 メーカーでは、まだ使える製品でもそれを下取りしてくれる市場があって、新品にどんどん買い直してくれるという現在の製品サイクルに満足している。大手量販店に中古買い取り事業をも行なっている例が多いのは、製品買い換えサイクルを促進する狙いがある。中古流通の受け皿があることは、メーカーにとっても販売店にとっても、メリットがある話なのである。

この話の情報もとはどこなのか、差し支えがなければ明示していただきたいが、いずれにせよこの部分はあまり成立しないと思う。

話としてはこのとおりであろうと思うが、これは「比較的新しい中古品の流通市場」の話だろうと思う。家電製品であれば、通常耐用年数は5年程度とされているので、そのくらいまでの中古品である。

ところで、PSE法は2001年に施行されているので、その頃に製造された製品からはPSEマークがついている。つまり今回の猶予期間終了後も問題なく中古販売ができるわけだ。

だから、今回の猶予期間終了によってメーカーにとってのメリットは阻害されない。

ところが、今回中古販売ができなくなる5年より古い製品の場合は話がちがう。メーカーとしては、それくらい古くなった中古品を買うのをやめて、新しい中古品か、もしくは新品を購入して欲しいのじゃないだろうか。

とりあえず、ここは指摘しておこう。

今回のPSE法の問題はふたつだろうと思う。
その1「電気製品にだって文化を支えている部分がある。新品が製造されなくなっても、文化を生み出すためにその機器を必要とする人たちが存在するのだ。中古販売を禁止することによって、文化の発展を阻害することになる」という問題。

先週月曜日の朝日放送関西ローカル番組「ムーブ!」でコラムニストの勝谷誠彦氏は「オレはいまだに親指シフトのワープロを執筆に使っている。もう生産されていないから中古販売店を探して入手しているのだ。それはオレの文化なんだ。この中古販売禁止でオレの文化を否定する気か!」と発言していた。

同様の問題は、音楽、映像の分野にも数多く存在する。

その2「2001年に施行して5年の猶予期間を待ったといっても、その周知徹底は不十分だった。結果、今になって禁止ということを知った中古販売店などは対策をできていない。この混乱をどう収拾するのか」という問題。

個人企業のリサイクルショップなどでは、すでに仕入れてしまったPSEマークなしの商品をどうすればいいのか、途方に暮れているところもあるようだ。不法投棄などの問題も今後起こってくることだろうと思われる。

この問題に関しては、いろいろな立場から意見が飛び出してきていて、いまだにこのブログにもトラックバックを次々といただいている。

もう少し考えてみたいのだが、大事なのは、中古販売禁止を撤回させるなり、法規をすり抜けて中古販売を続ける方法を見出すなり、いずれにせよ対策をしているうちに販売すべき中古製品が廃棄されてしまうことのないように、すばやい出口を提示することだろう。

法律は撤回させたが、売買すべき中古製品はなくなってしまった、では何にもならないのだ。

もうひとつのブログ「ものLog」でもPSE法関係の文章を書きはじめました。

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