コンテンツの育て方

政府の知的財産戦略本部コンテンツ専門調査会の提言

2011/01/04

政府も、何かしらコンテンツを育てるための方策を探っているようだ。

ITmediaニュースによると、

 政府の知的財産戦略本部コンテンツ専門調査会はこのほど、デジタルコンテンツ振興に関する提言を決めた。「ユーザー大国」「クリエイター大国」「ビジネス大国」の実現に向け、IPマルチキャスト放送に向けた著作権法の改正や、ユーザーの視点を盛り込んだコピープロテクト技術の導入、クリエイターに適切な利益を配分できる仕組み作りなどを提案している。6月にまとめる「知的財産推進計画2006」に反映させる。

この提言に関しては、知的財産戦略本部コンテンツ専門調査会のサイトから、PDFファイルがダウンロードできるから、興味のある方は見ていただきたい。
(いくつものPDFファイルにわかれていて不便だが)

最初の書類の中では「11の提言」があげられていて、そのうち以下の4つの提言がクリエーターに関するものである。これが「クリエーター大国」だという。

提言5 クリエーターの能力発揮を支援する
提言6 クリエーターが適正なリターンを得られるようにする
提言7 コンテンツ分野における人材育成を図る
提言8 デジタルコンテンツに関する研究開発を促進する

たいへんもっともな文言が並んでいるが、いまいち具体的な方策がわからない。

2番目の書類「デジタルコンテンツの振興戦略」という文書によると、
お役所言葉がちりばめられてはいるが、おぼろげにわかってはくる。
ただし、本当に何をするのか、どんなルールを決めるのかは全然わからない。

提言5の「クリエーターの能力発揮を支援する」とは、

(1) IPマルチキャスト放送事業者による放送コンテンツの創作
(2) インターネットを使ったコンテンツの発信
(3) 再利用による創作活動促進のための制度の整備
(4) 資金調達のための関係法制の整備

である。資金調達はともかくとして、他はあんまし能力発揮と関係ないような気もする。

また提言6の「クリエーターが適正なリターンを得られるようにする」とは、

(1) デジタルコンテンツにおける公正かつ透明な契約履行
(2) 契約における自主基準やひな形の策定・見直し
(3) ヒットに応じた報酬を得られる契約方式の導入

である。とかく契約という文言が目立つ。
クリエーターはどこかの企業と契約しないとカネを得ることができない、と決めつけているようだな。

提言7の「コンテンツ分野におやける人材育成を図る」とは、

(1)大学等における教育の推進
(2) 人材育成に関する産学連携
(3) 育成されたコンテンツ人材の活用
(4) 創造性を高める教育の推進
(5) エンターテイメント・ロイヤーの育成

だという。エンターテイメント・ロイヤーってなんだ?

提言8の「デジタルコンテンツに関する研究開発を促進する」とは、

(1) コンテンツに関する技術開発の推進
(2) 融合人材の育成
(3) 産学連携の促進と研究成果の周知徹底

だそうだ。融合人材とは、高度なデジタルコンテンツの表現技術を使ったり、自ら技術開発したりできるクリエーター等、とある。なんで融合?

とにかく、特にこれは困る、とか、間違っていると指摘できるような部分はない。足りない部分はたくさんあると思うが。

政府がこうしていろいろな方策を探って具体的な政策を決定してくれるのは嬉しいことだ。ただし、これはあくまで提言であって、実際にこの中のどれくらいが現実的な政策に反映するのかはわからない。「知的財産推進計画2006」を注意してウォッチングしたいと思う。

とりあえず今回はご紹介のみ。
私の意見は、もうちょっと考えがまとまった段階で記そうと思う。
ただ、ひっかかったことがひとつ。

なぜ「デジタルコンテンツ」を振興せねばならない?
というか、コンテンツにデジタルであるか、アナログであるか、は関係ないんじゃないの? メディアはデジタル化が必須であるとしても、コンテンツにデジタルもアナログもないんじゃないかと思うけど。

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