コンテンツ評論 映画・DVD評(洋画)

「ヒューゴの不思議な発明」をみた

久しぶりに映画館に出かけてきた。最近は映画館では、3D映画ばかりみている。

主人公の少年ヒューゴの住んでいる空間が好きだ。
それは、パリの駅にある大時計の裏にある空間で、歯車やゼンマイなどの部品がむき出しになっている。そこからは、駅の雑踏やパリの夜景が覗けるのだ。ヒューゴはそこで、時計のねじを巻いたり、歯車に油をさすなどメンテナンスをして暮らしている。

時計はいくつもあって、駅を縦横に走る裏通路で結ばれている。ヒューゴはその通路を通って、駅のさまざまな場所に神出鬼没の活動ができるのだ。

これは「映画愛」にあふれた作品だ。
映画がつくりだす夢の再生を描いた作品といってもいいか。

映画の創世記、映画の持つトリック性に気づき、不思議な映像を作り出したジョルジュ・メリエスという男が、この映画でも重要な役割を演じる。
それまで、事実をありのままに描き出すだけだった映画というメディアを、夢を描き出すツールに変革した人物だ。

映画でしか描けない夢、ファンタジー、物語がある。映画はそれらを、想像力の翼に載せる浮揚力を与えてくれる。それに最初に気付いたメリエスが、元は奇術師だったというのも面白い。奇術と映画、それらは人々に夢を見せるという点で一致する。

本作中にも登場するエピソード。ごく初期の映画「列車の到着」。題名どおり駅に列車が到着するシーンを見せるだけのものだ。ところがはじめて映画をみた観客たちは列車が近づくとパニックを起こした。近づいてくる列車があまりにリアルだったので、轢かれるかと思って避けたのだ。
映画って、こんなにも昔から3Dだったのだね。

物語の文字通りキーになっている機械人形は、死んだ父親が遺したものでヒューゴの発明品じゃないから、邦題「ヒューゴの不思議な発明」は無理があるぞ。「ヒューゴが持ってた不思議な発明品」 ってことか? 原題はたんに「HUGO」なんだけど。

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