コンテンツ評論 テレビ番組評

「O-PARTS~オーパーツ」をみた

オーパーツの持つ情報機器

フシテレビ系で四夜連続放映されたSFスペシャルドラマ。

ふつうの男女5人が政府によって集められ、144年後の未来から来たテロリストの捜査に協力することを求められる。彼らには、テロリストの精神と共鳴する能力があるからだ、というのだ。なぜならば、彼らはテロリストの祖先にあたるからだ、という。

テロリストの目的は、未来の要人の祖先である現代人を殺害すること。彼らは現代にはありえない技術や装置を用いて、不可思議な方法で着実に殺人を続けていく。

まあ、これだけ書けばだいたい想像できると思うが、これは「ターミネーター」の第一作の設定をそのまま使ったストーリーだ。未来の指導者ジョン・コナーの母親サラ・コナーを、現代にタイムトラベルしてきたターミネーターが抹殺しようとするのと、同じ構図だ。

違うのは、そのテロ行為を止めようとするのが、追いかけてきた未来人ではなく、現代の日本政府だ。これは未来の日本政府から情報だけが送られてきたからだという。

「ターミネーター」との比較でいうと、未来の社会がまったく描かれていない。未来の要人というのはどんな人物か、144年後の日本というのはどんな社会か、テロリストの思想背景はどんなものなのか? ここらの背景がまったく描かれず、現代で行われる攻防戦に終始している。だからリアリティがない。

「ターミネーター」は低予算映画だったから、未来を詳細に描くことはかなわず、数カットのインサートと、未来人カイル・リースが語るわずかな言葉だけだ。それでも、スカイネットに支配される絶望的な未来がイメージできたからこそ、ターミネーターからサラ・コナーを守ることが唯一の希望であることが理解できた。脚本家の資質のちがいか?

未来からきたテロリスト(彼らがオーパーツ、と呼ばれている)がコンパクトな情報機器を持っているのだが、この機器やそこに表示されるグラフィックのイメージが古くさい。私の持っているiPhoneのほうがよほど未来的に見える。オーパーツの衣装はあきらかに「マトリックス」のなぞりだし、こういう細部のイメージが作品全体に与える影響は大きいんだよ。

タイムトラベルものとしていつも感じること。祖先の死により、オーパーツのひとりが消失する。祖先がいなかったら、存在できないからだ、という理屈。過去へのタイムトラベルによる未来の改変。そのリアルタイムでの反映。タイムトラベルもので1番納得できない設定なのだが、なぜかいつまでも使われ続ける。

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