平成徒然草

コノクニノイクエ

2011/01/04

私は、仕事上使う多くの機器をヤフーオークションをはじめとする中古で買っている。個人営業のために予算も少ないので、多少古くとも充分使える機器が手に入ることはありがたい。

ITmediaニュースに『「名機」が販売禁止に 4月に迫る「電気用品安全法」』という一文が載っている。

 2001年4月に施行された「電気用品安全法」という法律が、この4月から本格施行となるためだ。同法は電化製品に安全確認済みマーク「PSEマーク」を付けて製造・販売するよう義務づけるもので、2001年以降に製造・販売された電化製品の多くに、同マークが付いている。

 今年3月31日までは同法の猶予期間で、PSEマークなしの製品でも販売可能だった。4月以降は、猶予期間が5年と定められていたシンセサイザーやアンプ、レコードプレーヤー、電源内蔵型ゲーム機、テレビ、電気洗濯機など259品目で、PSEマークがないと販売できなくなる。

私もこの法律については、今年に入ってからDAVICSで教えてもらったばかりだ。

4月からは、このPSEマークのついていない電気製品の中古販売が禁止される。
違反した業者などは、最大で一億円の罰金が科せられる。
もちろん、2001年以前に製造された機器にはPSEマークなどついていないから、過去製造された多くの機器が実質的に販売禁止となる。

中古機器販売店などでは、古い機器を販売することができなくなってしまう。

 「知らなかった」。ショップ関係者はこう口をそろえる。2001年の施行以来、猶予期間は5年間あったが、経済産業省の告知は十分ではなかったようだ。
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中古AV機器・PCなどを販売するハードオフやソフマップは、PSEマークなしの品の買い取り・販売を終了すると発表した。ハードオフは、対象商品を3月末までに売り尽くすべく、全国の店舗で2月11日からセールを始めている(一部店舗を除く)。
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 苦肉の策として同店は、中古品に同店自身でPSEマークを付ける方法を模索し始めた。とはいえ、PSEマークは、製造事業者(メーカー)が自社で添付することが前提。販売店が中古品に付けるのは、かなりの手間だ。

こうした大手の中古販売店は、なんとかそれでも対応できるのかもしれないが、個人営業の小さな店ではそれもままならないだろう。

法律の趣旨は、経産省のページを読んでいただきたい。

 それでも旧法時代の製品の販売を禁止するのは、「市場にいろいろなマークの製品が混在するのは好ましくない」(経産省)ためだという。
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 「中古品販売事業者の方やAVマニアの方が困っていらっしゃるのは承知している。しかし製品が法律の対象となっている限り、ご理解いただくしかない」(経産省)

この「ご理解いただくしかない」という言葉は、「潰れるならつぶれていただくしかない」という意味である。

この法律で喜ぶのは、電気製品メーカーぐらいのものだろう。比較的古い中古製品が入手不可能になることにより、新品はより売れるだろうから。

家電リサイクル法の時も、スクラップ業者が泣いた。いつからこの国は、このような「弱いモノいじめ」の国になったのだろう。大手企業であるメーカーは保護される。弱小企業である中古店や個人であるユーザーは、政治家や官僚の目には入らない。

私は、21世紀の生活は3Rがキーワードになると思っている。リユース(再利用)、リペア(修理)、リサイクル(循環)である。なんのことはない。20世紀がこの3Rを大事にしてこなかっただけで、人類の歴史を通じてこれらは大切な要素だったのだ。21世紀はそこに立ち返るだけだ。

電気製品の安全性を確保することも大切だとは思うが、この国のあり方を考えるうえで、「ものの使い方」の多様性を確保することのほうがずっと大切なことだと思う。

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