コンテンツの育て方

映像クリエーターの理想の仕事場

2011/01/04

ITmedia+D LifeStyleのコラム『PCモニタの終焉がもたらす「マルチキャストルーム」構想』で、映像系エンジニア/アナリストの小寺信良氏が面白い提言をしている。

小寺氏は、テレビのHD化、PCモニタの高解像度化により、両者は似たような特性を持ち始めていると語り、今後は両者が互いに相手を取り込みはじめるだろうと予言する。

また、パソコンユーザーの第一世代がそろそろ老眼に悩みはじめる年代に達していると指摘し、高解像度モニタに表示される文字が読み取りにくくなることを問題としてあげる。

そこで、氏のいう「マルチキャストルーム構想」が登場するのである。

 すなわち42や50インチぐらいの大きなテレビ/PC兼用マルチモニタを、2メートルぐらい前方に設置する。手元のテーブルにはキーボードとマウス。大型モニタを楽に見下ろすような姿勢だ。解像度はフルHD程度あれば、デスクトップの広さとしてはまず問題ない。
(…)
 大型マルチモニタがもたらす未来は、リビングの改革ではない。それはむしろ、リビングとも仕事部屋とも言えない、「マルチキャストルーム」の出現である。

 何かを作ったり入力したりと能動的な作業をするときは、前記のようなPCスタイルで。コンテンツを見るといった受動的な楽しみでは、椅子とキャスター付きの机を脇に押しやるか、あるいはモニタ自体を回転させて、ソファでくつろぐ。大型マルチモニタがテレビとPCモニタの2WAYであるならば、部屋自体も2WAYで使えるということなのである。

これは、私が目にしたなかでは、PCとテレビの使用スタイルの融合を指摘した、はじめての文章であるかもしれない。

私は常日頃から「PCとテレビは使用スタイルがことなる。PCを使うときは机に向かって直立して座り、テレビを見るときはソファなどに沈み込むように座る。だから、PCで視聴させる動画配信は成功しないだろう」と言っていたのであるが、使用スタイルじたいがこのように融合をはじめるのであれば、必ずしも私の言っていたことは当を得ていないことになる。

それでなくても、すでにテレビパソコンはメーカー製パソコンのひとつのジャンルとして確立しているようだ。たしかに、このような「マルチキャストルーム」がひとつのかたちとして成立する余地は必ず存在する。

であれば、未来の映像クリエーターとしての仕事場はどういうものになるのだろう。私が思い描くのは、今のパソコン執務スタイルより、もっとリラックスした姿勢での作業だ。

リクライニング・チェアにある程度沈み込んだ体勢で座る。視線は、やや遠目にして、小寺氏のいうマルチキャストモニタに向かう。

その態勢で操作するのは、マウスよりもトラックボールがよい(私はMicrosoft Trackball Explorerのヘビーユーザーなのだ)。チェアの袖の右側にトラックボールがあり、左側には各種の機能を呼び出す少数のファンクションキーがある。

文字入力を必要とする時は、その姿勢で打ちやすい角度にキーボードを持ち上げる。場合によっては、足で踏むスイッチを使用してもいいだろう。戦闘機のコックピット的感覚である。

何より映像の編集やCG作成は長時間にわたるので、できるだけ楽な姿勢で身体を保持したまま、さまざまな作業ができるようにするのだ。

うーん。ただ、こんな仕事場で長時間作業していたら、身体は確実になまりそうだな。

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