コンテンツ評論 テレビ番組評

「家政婦のミタ」をミタ

今クール一番のヒットドラマといっていいだろう。

ホームドラマながら、サスペンスフルな演出だった。
テーマはズバリ、「家族の崩壊と再生」だ。

キャラクターとしては、松嶋菜々子演じる家政婦が際立っている。
ロボットのような無表情、依頼があればなんでもやってしまう、という 極端なキャラクターだから、最初から波乱を呼ぶ要素は備えている。

シナリオは、母親を失った家族がその死に隠された秘密によって崩壊をはじめるところから描きはじめる。
その崩壊が家政婦に託された家族の思いによってエスカレートし、行くところまでいって収束に転じるあたりは定石ともいえる。

あえて言うと、前半の「家族はどうなるのだろう? 家政婦は次はどんな行動をとるのだろう」というドキドキ感にくらべて、後半の再生のプロセスをやや急ぎすぎた感は否めない。

これは、ストーリーのもうひとつの焦点として「家政婦はどんな人物なのか? 彼女に笑顔は戻るのか?」というのがあって、後半はそちらにポイントを移したということだ。いわば「人物の再生」というもうひとつのテーマがあったわけだ。

で、昨夜の最終回ではそのふたつがマッチした結末を迎えたのだが、かなり微妙なバランスとなっていた。やや人間性を取り戻したように見える一夜を過ごしたあと、無表情に立ち戻った彼女はこの家族のもとを去っていく。

というのは、おそらくは続編の 計画が持ち上がっていたのではないか? そのために家政婦のキャラクターを大きく崩すわけにはいかなかったのではないか、と思われる。

そもそも家政婦なのだから、働く家庭を入れ替えれば、またドラマは作りうるのだ。さまざまな形の崩壊家族にこの家政婦がかかわっていく、というのは面白い。ネーミングの元になった「家政婦は見た」そのものになってしまったら、元も子もないが。

まずはスペシャルドラマで様子をうかがい、いずれ第2シーズンが作られるのだろうが、第2シーズンで家政婦の秘密がさらにあきらかになる、というところも狙うだろうか。

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