コンテンツの育て方 コンテンツ文化論

ITはプロを殺すか?

気になった記事。

BLOGOS(ブロゴス)『ネットはプロフェッショナルを殺す - anti-monosの新メディア論

旅行の予約をするのに、ネット上のサービスで行うのと、旅行代理店の店舗を訪ねて行うのと、どちらがよいか、という話だ。

旅行代理店だと店舗になにひとつ長所がない。ネットと店舗の長所と短所を比較とかいうレベルではなく、長所をなにひとつ見つけられないのだ。

リアルな店舗の長所として「プロの店員のアドバイス」なんてことを言う人もいる。けれど、そんな聴くに値する、さすがプロと思わせるアドバイスを聞いたことが人生で何回あるだろうか。

実はあまり旅行をしない人なので、旅行代理店で予約をした経験がないのだが、たしかに旅行代理店の店員にプロフェッショナルなアドバイスを期待はできないような気がする。

今の世の中、システムばかりが幅をきかせて、「プロ」と名のついた人間があまり見かけられない気がする。

インターネットが999人の「プロ」ではない素人店員を駆逐する。けれど、999人のなかに次世代の「プロ」が、いわば「プロ」の卵がいるかもしれない。その卵が孵化する土壌も一緒に、インターネットは殺していくのかもしれないと思った。999人を丸ごと殺し、そして次の世代の「プロ」がいなくなる。

これは旅行商品の販売の話だから「インターネット」という言葉になっているが、「デジタル技術」あるいは「IT」という言葉に置き換えてみれば、もっと幅広く通用する話ではないかと思うのだ。

ITは「プロ級」の仕事を素人にでもできるようにするかもしれない。
だけど、それは「プロ級」の仕事であって、「本物のプロの仕事」とは本質的にちがうものなのかもしれない。

その「プロ級」の仕事を提供することを職業にしてする人たちが出現すると、その人たちもそれでお金を稼いでいるという故に「私たちはプロです」と主張することになる。

そうすると、それらに埋没するかたちで「本物のプロ」の人たちは見えなくなってしまう。
やがて、そうした人たちはどこかに消えていき、ITを活用した「プロ級の仕事を提供することを職業にしている人たち」のことがプロだということになってしまう。

それでいいんですかね?

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