コンテンツ評論 テレビ番組評

DASH村は野生に戻りつつあった

昨日(2011年9月11日)に放送された「鉄腕DASH!」は、福島第一原発事故以来放置されたままになっているDASH村への立ち入り調査の詳細なレポートだった。

DASH村は、アイドルグループのTOKIOを中心に11年にわたって開拓してきた農業・生活ドキュメントの舞台だ。
福島第一原発からは、今回はじめて公開されたが、25km離れた福島県浪江町の山間部にある。
3/11の震災当時、TOKIOも参加して撮影が行われていたが、翌日キャスト・スタッフとも現地を離れ、飼育していた動物などは避難させたものの、その後近づくこともできず放置されていた。

今回、学者からの提案で、DASH村にヒマワリの種を植える実験をしにいく。なんでもヒマワリはセシウムを吸着する性質があるらしく、除染に効果があるかもしれないという。その実証実験の場として、DASH村にヒマワリを植える。

TOKIOからは山口達也が同行した。(余談だが、彼の免許失効騒ぎで一時放映が危ぶまれたが、無事放映されてよかった)

入村には宇宙服のような防護服を着用し、滞在時間は2時間に限定されるという厳しい条件だ。ヒマワリの種を植えるに先立って、村内各地の放射線量を測定したが、いずれも高く、居住には適さない。これはDASH村が窪地の地形にあるため、放射性物質がたまりやすいからではないか、と説明されている。

今回、日テレとしても相当に思い切った放送だったと思う。だが、なかなか警戒地域の状況が報道されない中にあって、DASH村というモデルケースの取材ではあるが、有効な報道だったのではないかと思う。

もうひとつ、今回の震災に当たって、このDASH村という企画が現地の近隣住民の皆さんとの絆でできあがっていたということが明らかになった。
近隣の人々をアルバイトや協力者として雇用し、また協力を得てこの番組ができていたと。
このことは、震災がなかったらひょっとして広く知られることがなかった事実かもしれない。

もちろん現在、その近隣住民の皆さんは避難生活を余儀なくされている。そこにもTOKIOのメンバーは訪問し、絆を確かめていた。

正直、DASH村がふたたびTOKIOの手によって農業や工芸の場となるかどうかは不透明だ。
画面に登場した村は、雑草が生い茂り、開拓前の姿に戻りつつあるかのように見える。

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