映像文化を語ってみる

2006年はビデオカメラがブレイク?

2011/01/04

ITmedia+D LifeStyleに『麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」/メディアの多様化が進むビデオカメラ事情』という記事が載った。AV評論家の麻倉怜士氏がビデオカメラ市場の現況について語っている。

麻倉氏はこの談話の中で「2006年はビデオカメラにブレイクのきざしがみられる」と語る。

 ビデオカメラ専用だった従来メディア(筆者注:DV、VHS-Cテープなどのこと)というのは、その狭い世界にしかとどまって広がりがなかったのですが、ほかの世界で活躍してきたメディア(筆者注:DVD、メモリーカード、HDDなど)はビデオカメラで撮影した後も非常に大きな展開可能性広がりを潜在的に持っているのです。これが私をして「2006年はビデオカメラがブレイクするぞ」と言わしめている要因の1つです。

要するに、メディアの多様化がビデオカメラのブレイクをもたらす要因となっている、ということである。

さらに麻倉氏は、巨視的にはすべてのメディアがノンリニアに向かう、ということを述べている。

 これからの時代は、ノンリニアですから単に記録するだけでなく、自在に編集できて自分の価値観や考えがコンテンツを作り上げるところに反映できるのです。また、単に作るだけでなく、DVDという国際標準フォーマットに焼くこともできるし、それを受け取った人はDVDプレーヤーですぐに再生できる。しかもPCやDVDレコーダ・プレーヤーは広く普及し、DVDディスクも安価に手に入るメディアになりました。トータルでのビデオ撮影を楽しむ“ナマ撮りバリューチェーン環境”が整ってきたのが、今の時代の特徴ですね。

メディアとしてのインターネットの可能性に触れていないことがちょっと残念ではあるが、この考察は、非常に重要だと思う。

日本ではかなりの割合で家庭にビデオカメラがある。
しかし、ビデオカメラで撮った映像に何らかの加工(あえて編集とはいわない)を施して見せるという「文化」が日本の家庭にはない。

映像に編集や字幕入れ、DVD化などの加工を施すことが、一昔前は簡単ではなかった、というか家庭レベルでは不可能だった。だから、せいぜいがVHSテープに見せたい部分をダビングするのがせいぜいだったのだ。

だが今では、そんなに難しいことではない。どの家庭にもPCはあるし、安価にビデオを編集し、DVD化までできるソフトが入手できる。Macに至ってはそれらのソフトを全部バンドルして販売されている。

これからは映像を「撮る文化」ではなくて「見せる文化」をどのように構築するかが、次世代ビデオカメラの普及のカギにもなると思う。

発想はいろいろある。たとえば、編集ということを意識させずに編集・加工をさせてしまうソフト。「NGシーンを省こう」というコンセプトで、必要な部分のみを指定していくと自動的に編集らしきものが出来てしまう。

あるいは、PC内の動画から見せたい箇所を指定すると自動的にインターネット上の動画サーバにアップロードするソフトとサービス。(Youtube.comRevverに近いサービスになるだろう。しかしたとえばビデオカメラメーカーがそれを運営してもいいわけだ)

とにかく、撮りっぱなしではないビデオを他人に見せる、コミュニケーションの道具にするということが「文化」として根付けば、動画の世界は確実に変わっていく。

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