コンテンツ評論 テレビ番組評

「私は屈しない~特捜検察と戦った女性官僚と家族の465日」をみた

2011/02/01

厚生労働省元局長村木厚子さんの冤罪事件をもとにした2時間のTBS系スペシャルドラマ
ジャーナリストの江川紹子氏の取材記事が原案になっている。
一応名前は変えてあるが、ほぼ実際の事件をなぞる内容となっている。

村木さんに当たる女性官僚の役は田中美佐子。
眼鏡をかけた姿は、本当に村木さんによく似ている。

ストーリーは基本主人公の視点からのみ描かれている。
まったく身に覚えのない嫌疑で逮捕され、長期間拘束された主人公が、いかに検察の容赦ない取り調べに屈さず、無罪の主張を貫いたか、を描く。

ただ、これはテレビ局の狙いか、主人公と家族の絆が色濃く描かれている。
「身に覚えのない罪を着せられて、心が折れそうな時もあったけれど、家族が支えてくれたので頑張れました」というホームドラマに傾いてしまっているのが残念。

本当はこの事件にはさまざまな側面があったと思う。
特に、検察のあり方、捜査や取り調べのやり方への疑問は、非常に強い。

このドラマにも、主人公の無罪を信じる新聞記者が登場するのだが、あまり活躍しない。
本当はマスコミの報道の仕方についても、さまざまな反省や懺悔があってしかるべきだと思うのだが。

たまたま証拠の改ざんが発覚してしまったために、そちらが注目を集めているが、たとえそれがなかったとしても、この事件における検察のやり方は常軌を逸しているように見える。

検察関係者の公判はこれからだから、今の時点でそれらすべてを盛り込んでドラマ化するのは無理だろう。しかし、いずれは片がつく、はず。

すべての事実が明らかになるのかどうかはわからないが、片がついたらもう一度ドラマ化された作品を見てみたい。

たぶん、そうなると連続ドラマでないと収まりがつかないくらいの情報量になるのだろう。
あえて、検察のあり方への疑問、マスコミの報道への自省も含めて、それを作品化して送り出すくらいのテレビ局であってほしい。

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