コンテンツ文化論 映像文化を語ってみる

ビデオカメラが撮影・編集をアシストする?

2011年発売のビデオカメラにはこれまでなかった機能がついたものがあるようだ。

ITmedia「ビデオカメラ2011春モデル、3つの傾向

を読んでいて、

今春モデルの傾向(2)――「見ていて楽しい映像」のアシスト

これまでビデオカメラは「キレイに撮る」に注力し続けており、簡易編集機能やGPS搭載などで「見せる」ことに力を注いだ製品もあったものの、大きなブレイクには至らなかった。しかし、今春には「見ていて楽しい映像」をアシストする機能の搭載をいくつかの製品が果たしている。

方法としては大きく分けて2つあり、1つはキヤノン「iVIS HF M43」などの「撮影シナリオ」機能といった、「撮影方法の提案」。(…)

もうひとつは編集の自動化。パナソニック「HDC-TM90」などは再生時に、自動的におすすめのシーンをカメラが自動的に抽出し、フェードイン/アウトなどの効果をはさみながら短編映像を作り出してくれる「おまかせムービースライドショー」を備えており、ソニー「HDR-CX560V」などは撮影時間や撮影場所などを元に「イベント」単位に映像を分類して閲覧できる「イベントブラウズ」によって大量の映像データをストレスなく閲覧できる。

というところに興味を持った。(下線筆者)

では、どんな機能なのか見ていこう。

最初にキヤノンの「撮影シナリオ機能」。

日経トレンディネット「プロ並みの映像を撮れる新機能を搭載 キヤノン・新「iVISシリーズ」の魅力とは?

シナリオモードは、映像制作のプロが監修した「旅行」「キッズ」「学校行事」など10個のテーマと撮影シナリオを基にして、映像作品を作れるというもの。本体内にプリセットされたテーマを選ぶと、「(いつ撮影した映像かが分かるように)カレンダーを撮っておこう」「表情のアップを撮ろう」といったように、それぞれのテーマに必要な撮影シナリオが表示される。それに従って撮影を進めていくことで、プロが撮影したような映像を作れるというわけだ。

プロのような、というのは正直余計だと思うが、ようやく「人に見せる映像」として制作アシスト機能をカメラに搭載することをメーカーが思いついたようだ。

いっぽうパナソニックの「おまきせムービースライドショー」機能は、こちらに簡単に解説されている。

パナソニックTM90&TM85製品ページ(新機能)

撮った映像の特徴や撮影時の操作情報から、重要度の高いシーンを自動で抽出し、シーンのつなぎ目に演出を自動挿入して再生。ドラマや映画の1シーンのように、思い出をショートムービーにして見ることができます。

再生時にカメラが勝手にシーンを選択肢、トランジションなどをまじえながら再生するというもの。
要は「短く、楽しく見せる」ということで、 編集までいかないが、手軽に見たいというニーズを満たすものだな。

さて、ソニーの「イベントブラウズ」機能はこちら。

ソニーHDR-CX560V製品ページ「商品の特長 | 撮影後のお楽しみ」

カメラが撮影の頻度を検知。撮影日時情報と合わせて映像を自動的にイベントごとにまとめます。再生画面上で並んでいた映像も、これからは結婚式や運動会などのイベント別にかんたんに楽しめます。

「イベントビュー」なら、2日にわたる旅行の映像を1つにまとめて、「ハイライト再生」で見ることができます。また、イベントのスケールを2段階まで調整することもできますので、例えば「観光」「昼食」など、さらに細かなコンテンツ別に見られます。

「ハイライト再生」というまでは再生時の機能でパナソニックと同様だが、さらにそれをDVDに記録したり、YouTubeにアップしたりというところまでサポートしているのが特徴だ。こうなると、一種の自動編集機能といってもいいだろう。

家庭用ビデオカメラで撮影された映像のほとんどは、撮っただけで終わり。一二度再生されてあとは保存されるだけである。なぜならば、「見せにくい」からだ。

静止画ならば気に入ったものだけをセレクトすることは簡単にできる。しかし、動画を編集することはそんなに簡単ではない。たとえ編集したとしても、かえって撮影の下手さを際立たせる結果になったり、他人にとって理解しにくいものになることもありうる。

こうしてビデオカメラが「人に見せる」ことを意識していくのは、映像づくりへの意識向上につながるような気もする。いっぽうで、類型的な映像のパターンが意識づけられていくのではないかという心配もあったりする。

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