ネットとコンテンツの関係論

他人のふんどしで相撲をとる気か?「ワッチミー!TV」

2010/12/28

ITmediaニュースに『「ワッチミー!TV」はフジテレビ版「YouTube」か』というインタビュー記事が出ている。

「ワッチミー!TV」とは、この7月にフジテレビの子会社がはじめる動画投稿サイトのことだ。先行するYouTubeなどがテレビ番組からとった動画などのアップロードによる著作権侵害の巣になっているという指摘を背景にしている。

 フジテレビラボLLC社長でフジテレビ情報企画部プロデューサーの時澤正氏はこう断言した。「大丈夫です。プロが見るんだから」

 著作権侵害コンテンツの温床として日本のテレビ局を悩ませているYouTubeとは異なり、ワッチミー!TVはユーザーが投稿した動画をすぐにアップするわけではない。投稿されるごとにスタッフがチェックし、問題ないと確認したものだけを公開するという。

ふーん。プロがね。フジテレビの最前線で番組作っている人がそんなチェックマンになる暇はないでしょう。要するに、制作では使い物にならないような人がこちらに回されて、自らの意志でやめるまでの間、チェックをさせられるってことなのかな?

それはそれでいいが、再三指摘しているように、それで魅力的なものになるのかという問題は抱えている。また、アップロードが膨大になると、チェック体勢がおいつくのか、という問題もある。

 もう1つYouTubeと異なるのは、募集する動画が、特定のテーマに沿ったものになる点だ。募集企画ごとにテーマを決め、プロの作品を“お手本”として提示。プロ・アマから幅広く作品を募集する。プロの作品発表の場として活用してもらうとともに、アマチュア作家にスキルを磨いてもらう場にする。

 「アマチュアの動画にも、1000本に1本、1万本に1本は、マスに受けるすばらしい作品があるはず」。

もうここらへんで、他人のふんどしで相撲をとる気満々なのが透けてみえる。だいたい「お手本」を示されて、それに沿った作品を作る奴に、驚くような作品は作れないと思うが。

アマチュア作家を育てるならそれで、やはり育成の方法論というものがあるはずだ。単に場を与えればすばらしい作品が集まってくる、などというのは大甘でしょうな。

YouTubeに習ってユーザー評価制度があるだろうから、その点数に従って賞金を出せばよい。また、動画づくりの(技術的な部分とはちがう)インストラクションも必要だろう。フジテレビが考える「受けるコンテンツの作り方」教室を、現実にテレビ番組を制作しているディレクターや構成作家を講師に展開する、というのも有効だろう。

 創業以来50年間映像を作り続けてきたキー局として、ネットの映像文化に貢献したい、という思いもあるという。USENの「GyaO」やソフトバンクの「TV Bank」など既存の動画配信サイトとは“逆”のアプローチで、新たな映像文化を創りたいとしている。

映像文化、という言葉を使うのなら、どんな文化を創りたいのかきっちり示してもらわないとなあ。

IT企業が開いた動画配信サイトがテレビに近づきたがり、テレビ局が開いた動画投稿サイトがその逆のアプローチを行う、というのはなんとも皮肉だ。この国の動画ビジネスがいかにテレビ局を中心に回っているかということを示している。

もうすぐはじまるのだから、お手並み拝見。

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