コンテンツ評論 テレビ番組評

「赤い指(TBS系スペシャルドラマ)」をみた

赤い指東野圭吾原作のミステリー。
昨年春クールに放送された 「新参者」の主人公、加賀刑事の捜査を描く。
時系列的には数年前の出来事になるらしい。つまり前日譚である。

主演は、すっかり「曲者」キャラになりきった阿部寛。
これだけイメージが定着すると、もう普通人の役は来ないだろうなあ。

で、この主人公の加賀という刑事も、曲者である。
人が表情の下に隠している「嘘」を見抜く能力を持っているのか。

ミステリーとしてはまたしても倒叙である。
ただ、知能犯が完全犯罪をめざしたものではない。

普通の家族が、中学生の息子が犯した殺人を隠そうとして偽装工作をする。
加賀は早い段階からこの家族に目をつけ、さりげなくその「嘘」に迫る。

倒叙といっても、謎解きのそれではなくて、心理戦である。
加賀は、真相をほぼ把握していながらも、この家族が自ら真相を告白するように仕向ける。
普通なら、人情刑事のように思えるのだが、そう見えないところはやはり阿部寛のキャラのせいか。

この事件と併行して描かれるのが、加賀の父親の死をめぐる、従兄弟の松宮刑事との葛藤。
「新参者」ではほとんど描かれることのなかった、加賀のプライベートが明らかになる。
なるほど、従兄弟刑事コンビの間にはこんな関係があったのか、と。

ただ「新参者」でも感じたが、年下の従兄弟である松宮を溝端順平がやっているのだが、若すぎないか?
阿倍の相手役として若手のイケメン俳優を起用したい意図はわかるのだが。

「新参者」では主要キャストの一角であった黒木メイサも登場するが、はっきり言って顔見せ。
事件そのものにはあまりからんでこない。

ここでスペシャルを打ってきたということは、TBSはもう一度加賀シリーズの連ドラを考えているということの証だろうか。
テレ朝の「相棒」のような刑事ものの定番を作りたいのかもしれない。

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