コンテンツの育て方 コンテンツ文化論

3Dテレビは成功だったのか?!

2010年は「3D元年」といわれた。

昨年末の「アバター」に続いて、3D劇場映画がいくつも封切られ、すっかり定着した感がある。

そればかりでなく、3D対応の薄型テレビが各社から発売された。
東芝からは、最近ついに裸眼3D対応の液晶テレビも発売されている。
いまいちコンテンツの出そろい方が遅いものの、これでようやく3Dテレビも定着するだろう、と思われていた。

だが、そうでもないようだ。先行する米国での様子について、こんな記事がある。

3Dテレビは米クリスマス商戦で大敗 (market hack)

アメリカのクリスマス商戦期間は未だ終わったわけではありませんが、既に「明らかに駄目だった」ということがわかっているカテゴリーもあります。

そのひとつが3Dテレビです。

3Dテレビは高級品を中心にぜんぜん動いていないし、今後、「投げ売り状態になる」とウォール・ストリート・ジャーナルは伝えています。

不思議なのは、なかなかテレビの放送を通じて、こういうニュースが伝わってこないことだ。

その構図は読める。テレビを発売している家電メーカーは、民放の有力なクライアントだからだ。
それだけでなく、放送局は「将来的には3Dテレビ放送を開始して、より迫力があるエンターテイメントを」というお題目を掲げていたりする。

すでに、テレビ自体が退潮に入っていることは、メーカーも放送局も感じている。
メーカーとしては、地デジ対応による買い換えが収まったとき、それに継ぐ新しいニーズを用意しておきたい。
放送局としては、少しでも視聴者ばなれを食い止めたい。
もちろん、それ以外にも、周辺で3Dテレビに市場としての可能性を感じている業界は数多い。
映像制作業界の一部もそうだし、そこに機材を供給する放送機器メーカーもそうだ。

そこで、一種のメディアスクラムが生まれ「これからは3Dテレビだ」という風潮を大事にしておきたい、ということになる。
米国で3Dテレビが売れていない、ということを報じれば、それだけでこの風潮に待ったがかかる要因にもなりかねない。

だが、それって本当に正しい報道のあり方かね?

商売はおいといて、本当に「3Dテレビというのは何で、どのように楽しめるものか」を客観的に伝えるテレビ番組が生まれることを願う。それが、報道機関として電波を独占している放送局として、最低限持っているべき良識だろう。

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