映画・DVD評(邦画)

「博士の愛した数式」をみた

2010/12/28

なんだか、映画の感想を書くのは久しぶりだ。

記憶が80分間しか持たない数学者と、若い家政婦。そして10歳になる家政婦の息子の交流を描く。

何より印象的なのは、博士の人物像。不慮の交通事故の後遺症で、記憶が80分間しか続かない。何よりも愛するのは、数字が秘めた美しさやおもしろさ。そして、阪神タイガース。(ただし、博士にとってのタイガースは江夏が現役時代のタイガースである)

演じるのは寺尾聡。この人最近とみに、父親の宇野重吉に似てきている。演技には定評があるが、最近なんだか深みを増したような気がする。

家政婦役は深津絵里。たぶん深っちゃんしかできないような、自然体の芝居が寺尾の渋味と合わさって透明感あふれる作品世界を作り出している。

「24か。4の階乗だ。とても潔い数字だ」という台詞があるが、この作品世界の作り出し方はとても潔い。ある意味、削ぎ落として削ぎ落として、最後に残ったものだけを観客に見せるような。

最近目にする映画は、これでもかこれでもかと足して足して作り出すような、そんな映画がとても多い。それはそれで、たしかに面白い場合もあるのだけど、私はなんとなくその散漫さが気にいらない。

やはり、表現するってことは、必要なものだけ残して、余分を削ぎ落とすことではないかな。私はそう信じているのだが。

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