コンテンツ文化論 電子書籍の夜明け

小説・マンガをWebで無料公開?

気になったニュース。講談社の100%子会社の「星海社」が面白い試みに挑戦しているという。

ITmedia『「本が売れない」 Webに活路はあるか 小説・漫画を無料公開、星海社の挑戦

星海社が事業のメーンに据えるのは、独自のウェブサイト「最前線」。まずこのサイトで、新作の小説や漫画を無料で公開する。作品のコピー&ペーストも自由で、気に入った小説のフレーズを、ツイッターの画面に張り付けることもできる。

その後、読者のニーズにいちばん合った作品の形態を検討し、本や映像などで作品を販売する。最終的には、紙の書籍とも電子書籍とも違う、WEBならではの「新商品」を作っていこうという試みだ。

電子書籍だ、iBookアプリだ、という流れの中で、置いていかれようとしているのが「出版社」あるいは「編集者」の存在だ。

音楽の分野などでは、個人が自分で楽曲制作し、それをダウンロード販売や、Amazonなどを使ったCD販売で収益を上げる仕組みはできている。電子書籍の普及で、遠からず小説やマンガの世界でもそれと同様のことは実現されるだろう。

ところが、個人の作者が作品を制作し、それをネットで販売するという動きの中で、出版社、あるいは編集者の持っている機能をはたすセクションがない。それは、たとえば作品を売れる商品に仕立てるという「マーチャンダイジング」や、売るための流れを作る「プロモーション」の機能ではないか。

作品性、芸術性だけを追及するのであれば、作者が直接読者に販売する、というあり方もあってもいい。
しかし、作品を商品として売る、ということであれば、作者がそこまでを考え、責任を持つというのは荷が重すぎるだろう。
そこには、商品としての小説・マンガを考えるプロフェッショナルがいるべきだし、従来の編集者はそうだった。

紙の印刷物にこだわっている出版社もいれば、こういう新しい動きをはじめる出版社もいるわけだ。
というかむしろ、他の業界に比べて遅すぎるのではないか。「本が売れない」といわれだして久しいのだから。

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