映像文化を語ってみる

どこを見てんねん

2010/12/28

夏の高校野球は、37年ぶりとやらで決勝戦が再試合になって、いましがた早稲田実業の勝利で幕を閉じたところである。

勝利校となった早稲田実業の斉藤投手だが、投球もさることながら、注目された点がある。

ZAKZAKが伝えるところ
によれば、

 マウンド上ではポーカーフェースを通し、相手に表情を読ませない。ポケットにきれいに折りたたんだ青いハンドタオルで汗をふきとる。タオルは母、しづ子さん(46)に買ってもらったもので、本人は「ゲン担ぎ」という。インターネット上では「ハンカチ王子」と名付けられた。

どこを見てんねん、と本人なら言うだろう。(いや関西弁では言わないだろうが…)

これなんか、高校野球がテレビ中継されていないかぎり、話題にもならないことだろう。新聞など活字メディアの記者が、彼のハンカチ使用に注目して記事にすることはないだろうし。スタンドから観戦していても、遠すぎてハンカチの使いっぷりなんか、目にとまらない。

テレビカメラがマウンド上の投手の一挙手一投足をアップで写し出すからこそ、こういう珍現象が生まれる。

もちろん、中継のカメラマンやテクニカルディレクターは、彼のハンカチ使用を注目させる目的で絵を作ってはいない。たまたま、カメラがとらえてしまった行動だろうが、それがこれだけ注目されるというのも映像のもたらす効果のひとつだ。映像が持っている情報量の多さを象徴するような出来事だといえると思う。

映像を見ていて、本筋ではない画面の一部に注目してしまうことは少なくない。妙に気になるという奴だ。たぶん、ハイビジョンになるとさらにそういうことが多くなると思う。

絵を作るほうも、注意しておかないと、後々思ってもみない結果を引き起こすことがあるのだ。

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