映画・DVD評(邦画)

「THE 有頂天ホテル」をみた

2010/12/28

三谷幸喜作品といえば、割と少人数の登場人物、限定された舞台空間をうまく生かし、セリフ廻しの巧みさで見せていく、舞台劇的展開のドラマが多かったように思う。

たとえば「古畑任三郎」がよい例で、古畑とその部下、犯人と、数人の事件関係者の中で展開するクローズドなストーリーだ。

その三谷がこの映画では野放図ともいえる多数の登場人物を投入。スピーディなカット割りで、きわめて映画的な展開を見せる。ある意味、イメチェンといってもいい。

優に三本の映画が作れそうな人数の豪華なキャストが演じるのは、大晦日を迎えたホテルに集まる種々雑多な人々だ。

どの登場人物もどこかオカしい。スキャンダルに追いつめられた政治家、自殺願望の演歌歌手、愛人の暴露をおそれる受賞者、年越しを一緒に過ごす男を捜す娼婦、使えない芸人を従えた興行師、歌いたい歌を歌わせてもらえない女性歌手など。彼らを迎えるホテルマンたちも、まともそうに見えて皆どこかオカしい。

小さくコマギレにされたコミカルなエピソードをパッチワークのように組み立てて、ハチャメチャな大晦日の夜のストーリーをクライマックスに導いていく手腕は、三谷脚本&監督の構成力が並ではないことを証明している。

爆笑ではなく、クスクス笑いのコメディが好きな人には、見逃せない作品にちがいない。

ただ、ちょっと胃もたれする感じはあるな。2時間16分の作品尺だが、2時間くらいにまとめたほうが最後まで息切れせずに見られたかもしれない。

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