映画・DVD評(洋画)

「Ray」をみた

2010/12/21

若い頃、ソウル・ミュージックばかり聴いていた時期があった。世代的にはロック世代なのだがどうもロックにはノリきれず、アメリカの演歌みたいなソウルに魅せられた。だから、レイ・チャールズの歌声はけっこう耳に親しんでいた。

ご存じソウルの開祖、盲目のトップスター、レイ・チャールズの伝記的映画。

7歳にして視力を失ったレイは、耳で聴いた音楽はすべてピアノと歌で再現できる能力を生かして、ミュージシャンとして生きていくことを選択する。盲目ゆえに騙されたり迫害を受けたりする中で、抜群の音楽センスを発揮し、レコード会社との契約を勝ち取る。

レコーディングの時、プロデューサーは彼に言う「どの曲もどこかで聴いた感じだ。人まねではダメなんだ。レイ・チャールズの音楽が必要だ!」開眼したレイは、ゴスペルやカントリーなどさまざまな音楽のエッセンスも取り入れ、自分の音楽でトップスターに駆け上がっていく。しかし、その一方で麻薬が彼の身体を蝕んでいた…。

表現で目についたことは、彩度のコントロール。

ミュージシャンが主人公だから室内それも夜のシーンが多いのだが、それらは彩度を抑えたシックな画面で描かれる。一方、失明前の子ども時代や、恋愛中の場面などは、彩度をめいっぱい強調したビビッドな画面で描く。きわめつけは麻薬のもたらす幻覚の画面で、これは思い切り彩度を上げまくった加工された画面だ。

演出的に見るとなかなか面白い試みだと思う。

-映画・DVD評(洋画)
-, ,