コンテンツの育て方

でたAppleの新戦略

2010/12/07

昨日、というか今日の早朝にAppleが行った発表は、表向きはiPod商品群の刷新だが、どうもそれだけではないようだ。

まずは、iTunes 10に内蔵されたソーシャルネットワーク機能「Ping」。

ソーシャルネットワークそのものは最近どこでも注目されているわけで、別に目新しくない。新しいのは、これがiTumesという音楽管理ソフト、iTunes Storeという音楽配信ストアと統合されている点だ。

音楽とソーシャルネットワーキングというのはもともと親和性の高いもので、My Spaceなどでもミュージシャンが自分のページを作って、ファンとの交流ができる仕組みを提供している。

Pingの場合は、アーチストページに集まるファン同士が、互いに音楽について情報交換したり、曲のおすすめをし合ったりという交流ができる。
どうやら、「この曲がおすすめだよ」と投稿する際に、30秒間の試聴ができるようにする機能があるらしい。

試聴して気に入ったら、相手はボタンワンクリックでその曲をダウンロード購入することができる。「交流」→「購入」の間の隔たりがほとんどない状態だ。

私は音楽プロモーションにほとんど知識がないが、これが普及したら、従来の音楽プロモーションがまったくちがった形になるのではないだろうか?

すでにUstreamなどを使って、アーチスト自身がメディアを持つ試みがはじまっている。

今はまだ何も書かれていないが、これはたとえばPodcastなどと統合されてくるのだろうか?
たとえばアーチストが自らPodcastなどを使って音楽以外のコンテンツも発信し、みずからプロモーションを行うようになるのかもしれない。
そうなると、いわばアーチストがメディアを持ったかたちになるわけだ。

だが、「音楽配信」-「メディア」-「ソーシャルネットワーク」がひとつのソリューションで行われるようになるわけだ。
既存のCDショップ、TVの音楽番組、音楽雑誌などはどうなるだろう?

そして、もうひとつ。

たぶん日本ではあまり注目されていないであろう新製品が、新生AppleTV。
(iTVと改称される、という噂は真実ではなかったようだ)
とにかく値段は安い。99ドル。
ただしストリーミング視聴専用端末である。HDDなどは内蔵していない。

当面は映画レンタルに徹しているようだが、1ドル足らずで映画を試聴できるということから、コンテンツさえ充実すれば、けっこうユーザーは増えそうだ。
これはインフラなので、とりあえずユーザーがある程度の数に達するまでは、たんなるオンライン・レンタルショップにすぎない。(たぶん、日本では使い物にならないだろうなぁ)

だが、ある程度インフラとして普及したら、面白いことができそうだ。

Pingのソーシャルネットワーキング機能が映像にも適用されれば、そこに映像のダウンロード販売ルートが見えてくる。
映画のように重厚長大なコンテンツではなく、1回視聴で10円、20円程度のワンショットな映像コンテンツも販売できるのが、ストリーミングによる有料配信だ。

DVDという入れ物に頼っていた従来の映像販売は、どうしても映画のサイズを想定してビジネスが成立していたが、ストリーミング配信なら、そうしたサイズの制約もなくなる。

極端な話、お笑い芸人が自分のネタをひとネタずつ配信するようなビジネスも可能になってくるはずだ。

後半のことは私の妄想なのかもしれないが、Appleが成功してくれれば、それなりに早く実現しそうな気がしてならない。

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