コンテンツ評論 映画・DVD評(洋画)

「第9地区」をみた

2010/12/07

第9地区 Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)
ワーナー・ホーム・ビデオ (2010-08-11)
売り上げランキング: 15
おすすめ度の平均: 4.5

5 アパルトヘイト
2 私は…
2 なんで
5 すごい映画をみた!
5 メン・イン・ブラック meet ブラッドダイヤモンド

大変評判の高い映画だが、私にはさほどとは思えなかった。

パーツはすべて見たことのあるようなものばかり。
都市の上空に浮遊する巨大宇宙船は「インデペンデンス・デイ」だし、最後に出てくるパワードスーツは「エイリアン2」だったり、日本のアニメのエッセンスだったりする。人間と宇宙人が混住するというアイデアは「エイリアン・ネイション」なんかにあったし、人間の身体が徐々にエイリアン化する、というのもよく描かれる現象だ。

で、この作品らしさというのは何か、というと、それは「ザッツ・アフリカ」ということだろうか。
舞台は南アフリカ・ヨハネスブルグだし、人間と宇宙人の関係はアパルトヘイトを思わせる。
さらに、スラムを支配するナイジェリア人ギャングは、宇宙人の力を身につけるために「相手を食べる」というカニバリズム的な発想をする。

また、主人公をヒーローでもアンチヒーローでもなく、小市民的な普通の男にしたこと。また、結末をハッピーエンドではなく、また絶望的なエンドでもなく、オープンな感じを持たせたことも、ちょっとオリジナリティかと。

ここで、たとえばもうひとつアイデアを足すと、面白くはならないだろうか。
この世界に伝染病が流行する。感染力は強大。
人間はどんどん罹患して、死亡し始める。
どうやら治療法はないらしい。この伝染病は、宇宙人には影響ない。

主人公は自らは知らなかったが、すでにこの病気に罹患していた。
ところが、謎の液体を浴びたせいで身体が徐々に宇宙人化していく。
その様子を研究したところ、この液体に接触すると罹患していた病原体が死滅し、病気は治癒することがわかった。
ただし、それをすると肉体は変化し、やがて宇宙人そのものと変わってしまう。
精神は地球人のまま。

さて、宇宙人と化しても生き延びるべきだろうか? 地球人として死ぬべきだろうか?

伝染病によって人類は絶滅に瀕している。人類を宇宙人化することによって救うべきか?

面白くなってきたぞ。

このほうが「宇宙人の武器や宇宙船を操作できるようになるために、宇宙人化した主人公を奪い合う」というこの映画の発想よりずっと面白く、また示唆にとんでいるようだ。

誰か、こんな設定で映画を作らないか?

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