コンテンツ評論 テレビ番組評

「仁-Jin」をみた

2010/12/11

TBSは最近ドラマ制作をがんばっていると思う。本作は日曜劇場で放映された連ドラ、今クールの連ドラの中では視聴率がよかったといわれている。

SF仕立ての医療ドラマ。現代の外科医が幕末の江戸にタイムスリップし、医学知識を駆使して治療と医学の発展をめざす、というもの。原作は村上もとかのマンガだ。

設定自体はそんなに目新しいものではないが、これを本格的な医療ドラマとして描いたところが面白い。現代の分業化された医療界で育った医師が、器具も薬もない江戸時代でこれほどの活躍ができるのか、というところに首をひねらないでもないが。

ただ、原作にはない設定が追加されていて、それがどうも気になる。

現代で主人公には不治の病に犯された恋人がいた。江戸時代にタイムスリップした時彼は、彼女を写した一枚の写真を携えていて、それが後々主人公の行動をさまざまな形で左右することになる。つまり、彼が過去の世界で起こした行動によって、写真に映る恋人の状況がさまざまに変化するのだ。

どうして映画やドラマなど映像作品は、これほどにタイムパラドックスに執着するのだろう? 女性視聴者などのことも考えて恋愛ドラマの雰囲気を醸し出したかった、という企画意図はわかるが、この写真のギミックがどうしてもドラマ自体と違和感を覚えてならない。

時間旅行じたい架空のことだから何が起こるかなんてわからないのだが、物体として固定されたものであるはずの写真が、未来の状況に応じて変化するなんてことは一番ありえないことのような気がする。まして、途中で恋人が半分消えかかった状態の写真も出てくるのだが、これなんか余計にありえない。

この過剰な演出さえなければ、非常に面白いドラマだったと思う。

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