コンテンツ評論 テレビ番組評

「ギネ~産婦人科の女たち」をみた

2010/12/11

最終回は録画を見たので一日遅れ。

ネットニュースなどで低視聴率が伝えられ、その理由として主演の藤原紀香の演技が問題視されていた。
たしかにそれもあると思う。だが、それ以前にこのドラマには欠陥がいくつもある。

ひとつには、難しい医療用語が何の説明もなく放り出され、しかもそれが早いテンポで重なっていくこと。患者の容態が急変し、緊急手術などというシーンが頻発するわけだが、そういうシーンは当然セリフのテンポも早く、登場人物の口数も多くなる。

病院関係者なら、何の苦もなく聞き取れるのかもしれないが、医学シロウトの視聴者には何が起こっているのかさえわからないケースが多い。

もうひとつ。ストーリー上の「肩すかし」が多い。

たとえば、このドラマのメイントピックとなっている母体死亡についての医療訴訟。
死亡した母親を含む家族は、初回から登場し、メイン登場人物扱い。結果的に母親は死亡し、訴訟に発展する。
だがようやく開かれた裁判中に同僚医師が母体死亡の原因となった遺伝的欠陥(? 上記の理由でよく理解できなかった。血友病みたいなものか)を発見する。
その結果、医療過誤ではないことが証明され、夫が告訴を取り下げる、という流れ。
裁判シーンは1話分に満たない。
医療訴訟が他科にくらべて多いという産婦人科の問題点を取り上げたのではなかったのかな。
すべてがこんな具合にバッチリ「ノーフォールト(過失なし、ということ。原作の作品名でもある)」が証明できるわけではあるまいし。

こんな感じの肩すかしがやたらと多い。

トラウマを抱えて暗い表情の藤原紀香演じる柊医師の過去、および性格改善もそうだし。
上地雄輔演じる新人医師をめぐる恋愛模様だってそうだ。
何か起こりそうで、何も変わっていかない。肩すかし。

最終回なんて、たぶん低視聴率のせいで後半刈り込まれてしまったのだろうが、噴飯ものだ。

柊医師が病院をやめ、産婦人科医のいない小笠原へと渡るべく港にやってくる。
そこに松下由樹と上地雄輔演じる同僚医師たちが駆けつけ、彼女に思いとどまるように説得する。
そこまで、離島での産婦人科についての事情はほとんど説明されていない。
かろうじて、小笠原には産婦人科医がいない、ということがそれまでのドラマの中で語られているだけだ。

そこで松下由樹演じる先輩医師(なんとも不似合いなことにこの時点で教授に就任している)が語ることだけが離島における産婦人科の問題点およびそれを解決に導く道筋のすべてだ。

しかも、それを聞いているうち、船は出航してしまう。次のシーンでは、柊医師が病院に残ったことが示されている。

えーっ。こんなのありかよ。そういうのは、何話もかけてドラマを作らないと伝わらないじゃないか。

低視聴率だと、つじつまを合わせるだけの悲惨なエンディングが待っているものなのだなぁ。
それ以前に、シナリオと演出がダメだと思うよ。藤原紀香をキャスティングしたのだって、失敗じゃないかな。

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