プロ野球雑感

赤星引退

2010/12/11

昨日、昼過ぎに私のTwitterのタイムライン(そこには私のフォローしている人たちのつぶやきが表示される。当然そこには阪神ファンがたくさんいるのだ)がにわかに慌ただしくなった。
とある阪神ファンが、オンラインニュースを拾ってつぶやいたものだった。

「阪神の赤星が引退? 何コレ?」
「まさか」
「球団の正式発表とか本人からのメッセージがないと信じられん」

その時点では、まだ誰しもが半信半疑だった。
12月という中途半端な時期。すでにプロ野球ニュースの引退特集も終わってしまっている。
阪神では、秀太の引退にひとしきり感慨を深くしてからも、しばらく経っている。

私は赤星選手のブログを見に行った。
最後のエントリーは11月はじめで、タイトルは「負けません」だった。
はたして今の時点での引退は本当なのか。まだ33歳やで。

ただ、阪神ファンなら誰もが「来るべき時が来たのか」とも思っただろう。
赤星が首の痛みを抱えてプレーしていたことは誰もが知っている。
今年は出場機会もめっきり減っていた。
もし今の時点での引退が本当であるとしたら、その理由はひとつしかない。

Twitterにはさまざまなオンラインニュースをつぶやくアカウントがある。
そこで「阪神の赤星が引退」という文字がちらほらと見かけられるようになった。
RT(ReTweet:他の人のつぶやきを引用して広めようとするつぶやき)で、そのニュースは瞬く間に広まった。

3時ごろには、テレビの画面で速報が入った。しかも午後5時から本人が会見するという。
Twitterタイムラインのメンバーも、ようやく誤報ではないことを確信したようだった。
赤星の引退を惜しむ声が多く聞かれるようになった。

赤星がいかに阪神ファンに愛されていた選手であるか、Twitterのつぶやきを拾うだけでもよくわかる。

5時、赤星本人の会見がテレビ中継された。
関西ローカルの番組はすべてそれを生で中継したようだ。

赤星選手はスーツ姿であらわれた。
阪神球団の社長が同席を申し出たそうだが、本人の希望によってひとりで会見することにしたそうだ。

その声の平静なこと。
おそらくとんでもない苦悩の末の決断だったと思うのだが、その苦悩を微塵も感じさせないような淡々とした会見だった。

そして、彼は引退の決断に至るまでの経緯を語りはじめた。
我々は、椎間板ヘルニアと報じられていた彼の病状が「中心性脊髄損傷」という重症であったことを知らされた。
9月12日の横浜戦。センターフライを捕ろうとダイビングを試みたことによって、首の痛みを悪化させて負傷退場。
その後、さまざまな病院を訪れて検査を受けたらしい。
このまま現役を続行すると危険であるというのが、医師たちの一致した意見だったという。
次に同じような損傷を受けた場合、半身不随か悪ければ命にかかわる場合もありうる、と言われたらしい。

そのような爆弾を抱えたままプレーができるのか。
全力のプレーを見せることを信条としてきた彼である。
ファンもその全力プレーに対して賞賛を贈ってきたし、そんな彼を愛していた。
たとえ現役を続行しても、100%でのプレーはもうできない。
ならば、現役を退くべきだというのが、苦悩の末の彼の結論だった。

中継は会見の途中までだったが、終始赤星は平静に涙も見せることなく、淡々と語りきった。

その後のTwitterタイムラインは、阪神ファンからの赤星への思いがあふれていた。
彼がいかにファンに愛された選手だったかということが、とてもよくわかった。

とりあえず、お疲れさま、と彼には伝えたい。ありがとう、素晴らしいプレーを見せてくれて。
たぶん、阪神はもちろん、どの球団にも赤星二世と呼ばれる選手はあらわれないのではないだろうか。
なぜなら、彼は単に足が速い、盗塁や守備がうまいだけの選手ではないからだ。
いつの日にか、縦縞のユニフォームを着て、指導者として甲子園に帰ってきてくれることを望む。

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